伯楽星の隠れた本質 幡ヶ谷で見直す

 幡ヶ谷で伯楽星

ひと頃、話題になり手に入りにくかったように思います。
雑誌などで宮城の「伯楽星」の名を目にすることが多かったのも、少し落ち着いてきた感があります。
先ずは日本経済新聞2011年6月21日付けのweb記事より引用:
新沢巌夫専務(36)は2000年、25歳の時に宮城県内で最年少の杜氏(とうじ)となった。当時は販売低迷で経営難に直面していたが、食事を邪魔しない飽きのこない味の「伯楽星」を生み出す。日本航空の国際線ファーストクラスに採用されるなど高く評価され起死回生となった。
衣かつぎ
伯楽星のテーマは「究極の食中酒」だそうです。
そのために大切にしてきたのが「酸」。
人気が上がってきた時も、決して個性のはっきりとした、いわば今受けの良い酒ではありませんでした。

実は、日本酒を理解するための本当の鍵はこの「酸」にあります。
渋谷区幡ヶ谷にある「呑兵衛」で、しばらくぶりに味わいました。
しかも、調理長がすすめてくれた衣かつぎが良く合うこと。
幸せ気分も倍増ですね。

 伯楽星 特別純米酒・生詰

伯楽星の中でも、この特別純米生詰が代表する商品です。
  •   精米歩合: 60%
  •   日本酒度: +4
  •   酸 度:  1.7
  •   AL度:   15.8
この4つのデータを見ても際立ったものはありません。
酸度がやや高めかな、という程度です。一般的な平均は1.4といったところでしょうか。

そして、日本酒の酸を理解するためには「酸っぱい」という感覚は一度捨ててください。酸っぱさで味わいを分けるのではありませんから。
甘辛を先に特徴として感じるのは仕方のないことですが、これに絡む酸の有りどころで味はハッキリと変わります。

ところが、キーンと冷やしてしまうと、この酸の良さが出てきにくくなります。
言い換えればバランスが崩れるのです。
今回、ここでは詳しく書かないことにします。
しかし、燗で飲む場合に酸の働きが旨さの決め手になることは明言しておきたいと思います。

伯楽星の取り組みを私は応援します。
この「酸」について、少しだけ意識を集中して味わってもらえれば、日本酒の旨さの幅が、いきなり広くなります。
「究極の食中酒」を目指す伯楽星が、この酸について、最も気持ちを込めて造っていることは言うまでもありません。