教えてもらう

居酒屋で仕事をしていると、どんなに長く経験していても、教えてもらうとことが多々あります。

・調理長からのおすすめ料理のセールスポイント。
・その日に届いた珍しい魚の産地や食べ方。
・前日が休みだった従業員がテレビで観たというグルメ番組。
・近くの専門学校に通うアルバイトさんからの文化祭情報。
・生ビールのディスペンサーのメンテに来た業者さんからの話題。

そういった従業員や業者さんから教えてもらうことは当然です。
しかし、一番たくさんのことを教えてもらうのはお客様からです。

さば味噌煮・たまには美味しい煮魚を食べたいなあ。
・◯◯屋さんはビール半額でやってたよ。
・来週はうちの会社の創立記念日なんだ。
・新しく出来たその先の店に行ってきたよ。
・入口の黒板がズレてたから戻してあげた。
・今度、穴子の天ぷら置きなよ。
・鈴木さんは今日は風邪で休みだ。
・明日は地方から集まって研修会がある。

などなど。

お客さん同士の会話の中から教えてもらうこともありますが、わざわざ私たちに教えてくれるようになるには、やはりそれまでの関係を築かないと無理です。
店長は本社の上司や社長から教えてもらうことがたくさんあって、もちろんそれは大切なことですが、ときに勘違いして、それが全てだと思いがちです。

ところがどっこい、本当に教えてくれるのはお客様。

自分たちがお客様に対して、「教えてもらう」という気持ちを持てば、いくらでも教えてくれます。何しろ、新人のアルバイトさんに、あれこれとお客様の方から教えてくれます。

私が新人を紹介するのにお客様の席へ連れて行った時のことです。
「新人の山田です。いろいろ教えてやってください。」
「何だよ、俺が教えるのか?それは店長の仕事だろ!」と笑いながら、
「山田くん!緊張してるか?笑顔、笑顔!」なんて優しく付き合ってくれます。
教えてもらう人を間違えないようにして、日々のことに目を向けていければ、改善も進歩もできるように思います。