京都伏見仕込み冷酒辛口 料飲店バージョン?

地酒の品揃えを看板にしている居酒屋は増えました。
個性を出すために銘柄にこだわって、苦労しながら揃えたお店もあれば、取引の問屋さんの関係で、問屋さんの持ち駒の中からピックアップしたお店もあります。

しかし、料飲店向けに造られたお酒があることは意外と知られていません。
決して裏話ではありませんが、問屋さんとメーカーのタイアップだったり、地酒メーカーの料飲店向けの商品だったりと、経緯はそれぞれです。

料飲店にとって、一般消費者用の商品と比べると、品質の割には仕入れ価格を押さえられるというメリットがあります。しかも、一般小売店には先ず並ぶことがないのでお客様が普段目にすることがなく、仕入れ値を想起させることがありません。

今回は、「もしかしたら料飲店向け?」と思ったお酒です。
たまに行く神保町のやきとり屋さん。
「つなぎ串」と「タンモト串」を頼んで生ビールを飲み始めたのはいつもの通りでしたが、途中で冷酒に切り替えた時に出されたのがこれでした。

月桂冠冷酒辛口 (1)

京都伏見仕込み冷酒 辛口(300ml)
造っているのは月桂冠さんでした。
商品名には「月桂冠」のブランド名はありません。
「フルーティな香りと爽やかなのどごしが特徴の辛口のお酒です。」
裏書きにあるこの説明のように爽やかに飲めるお酒でした。糖類は無添加であっても本醸造の表記はありませんから、普通酒扱いですね。アルコールが14~15%というのは、夏にはちょうど良い感じ。

月桂冠冷酒辛口 (2)

こうして工夫をしながら、お客様の要望や好みに応え、売上にもつなげていく。このお店でショット売の地酒を多く揃えてしまうと、店のオペレーションが崩れてしまい兼ねません。
居酒屋とは、メニューとオペレーションは切っても切れないコンビであり、客単価にどうつなげて計画通りに運営するか。
これを経験的に想像しながら計画を立てる人が多いせいで、案外と無頓着に見えるのが世の常。
どんなメニュー(商品)を置き、いくらで売るかは、経営の基本です。
さあ、私ももう一度、勉強し直すことにします。