髙天(こうてん) 長野は岡谷の地酒

 全国第2位の長野

春に長野の松本まで行った帰り、できたら上諏訪の蔵元に寄りたい思いで車を走らせて岡谷を通っていた時です。

窓の外をかすめた景色の中に「髙天」という大きな看板を見ました。

「ああ、ここにあったんだ…」

何となく覚えていたお酒の銘柄でした。
こうして通りがかりにまで酒蔵を見かけてしまう。さすがに酒蔵数全国第2位を誇るだけのことはあります。
日本酒が、酒蔵が日常の中にある。

かつては私の田舎にも見られた風景です。

結局のところ、髙天にも寄れず、上諏訪でも「真澄」のギャラリーを眺めただけで酒蔵見学が終わった日でした。
上諏訪の街を抜ける手前で、立ち寄ったコンビニ。

大した期待もなくお酒の棚を見て回った時、何だか定位置のような存在感で並んでいたのが「髙天」のワンカップだったのです。

もちろんこれは観光客のためではなく、地元の酒好きのために場を得ているに違いありません。そう思うと余計に、手にとってレジに並ぶしかありませんでした。

 日常酒が大好き

DSC_1582世に評判となった限定酒や、高価な酒は、出会うのにさほどの苦労はありません。その気になれば試す機会も頻繁に現れます。

私が感じるのに、その地で好まれている日常酒には、以外なほどに出会えません。却って、試飲会や展示会ではそんなお酒は持ってこないのです。

日本酒好きを自認する人で、毎日のように大吟醸酒を飲んでいる人がどれほどいることでしょう。またいたとしても、それが一般の人たちに役立つでしょうか?
実際にはお遣い物としてしか売れないようなお酒を奉ったところで、本当の需要に繋がるとは思えないのが本音です。好き嫌いは別として、山口の純米大吟醸の獺祭50が売れているのは、1.8Lで2,800円ほどだからに他なりません。

もちろんこれだって、毎日の晩酌には高価すぎますが…

「髙天ワンカップ」

取り立てて褒め上げることはできませんが、どこでも問題なく楽しめます。しかも、小遣いを握って簡単にレジに向かえる。

私の経験からすると、珍しくもない、醤油の風味と出汁を含ませた「大根と厚揚げの煮物」など、日本酒の日常酒以外に何が一番合うというのでしょう。

気軽に、そしていつも傍らに、控えている日本酒。
私はこれを愛したい。
そう思いながら、髙天のワンカップを撫でながら味わうのでした。