梅錦つうの酒 酒屋さんの現状が見える

 梅錦つうの酒

銘酒居酒屋に並ぶ地酒が現在の人気地酒とは顔ぶれが全く違う頃、東の横綱、西の横綱と呼ばれていたのが、それぞれ宮城の浦霞と愛媛の梅錦でした。その当時、私の仕事先でも、浦霞、梅錦、新政(秋田)の3銘柄はよく出ていました。
その中でも、浦霞はどんどんと人気が高まり、今では知らない人がいないくらいの銘柄になりました。

梅錦は四国でもトプクラスの酒蔵ですが、最近の東京では少し姿を見なくなったように感じています。

梅錦つうの酒
梅錦(梅錦山川株式会社)自体が東京の商圏に力を入れていないとは思いませんが、私の気のせいでしょうか?
吟醸酒そのものがまだ珍しいくらいの時代です。この「梅錦つうの酒」のもつほのかな吟醸香と麹の香りがとても素敵でした。このお酒のラベルに「吟醸酒」の表示があることに気づいたのは最近のことです。しかし当時はありませんでした。
そんな梅錦が、これまで棚においていたお店から姿を消したところが多く、寂しい思いでいるのが正直なとこおろです。

 酒屋さんの苦労

私の活動範囲の酒屋さんも、相当数減ってしまいました。

コンビニ業界の一時の戦略から街場の酒屋さんがターゲットになったこともあり、コンビニに姿を変えたところはまだしも、競争が厳しく廃業してしまったところも数多くあります。それと同時に、コンビニに並ぶ日本酒の種類は、以前の酒屋さんとは比べ物にもなりません。売れる商品を優先選択するのが使命のコンビニに、日本酒の品揃えを期待することが間違いなのは理解しています。酒屋さん本来の機能をコンビニが取って代われるわけはないのです。

また逆に、コンビニの要素を取り入れながら懸命に踏みとどまっている酒屋さんももちろんあります。しかしながら、真似では決してコンビニにかなうわけはなく、酒屋さんの苦戦は必定です。だからこそ、ここに酒屋さんの生き残るヒントがあるはずだと、以前から考えているのですが、やはり流通のシステムそのものがまだまだ硬直している部分が多いのか、酒屋さんも、かなりの努力をしない限り、思う通りの地酒の品揃えはできないのです。問屋さんに頼ってばかりでは苦しい。

さらにもう一つ、日本酒の詳しい知識を持った酒屋さんが少なくないのも事実です。棚を眺めて選んでいるお客様も、当然、詳しい人ばかりではありません。せっかく酒蔵が大事に造ったお酒を、おすすめできる材料を持たないで店先に立っていることも珍しくないでしょう。私は出先で酒屋さんにふらりと入ることが多いのですが、いくつか会話をすると、「勿体ないなあ」と感じる場合がほとんどです。

 酒屋の個性と育成

近頃では、酒屋さんの店主の力の入れようが、いろいろと伝わってくるところも増えてはいます。
ワインの品揃えで群を抜いていたり、焼酎ならお任せと言うくらいだったり、日本酒を大きなリーチイン冷蔵庫にずらりと並べたりと懸命な努力をされています。
お酒を飲む人が減っている現状では、ビールなども含めて、ただ漫然と品揃えしているだけでは酒屋さんも生き残っていけないはずです。ワインでも焼酎でも、そして日本酒でも、しっかりと個性をもった、テーマを持った店造りが必要です。
日本酒を愛する人たちにとって、周りの環境は十分ではありません。私を含めて、この「日本酒を愛する人たち」が「酒屋さんを育てる」という意識と行動、計画をもてないものなのかなあと、方法を探っているこの頃です。

梅錦山川株式会社では、「梅錦ビール」というクラフトビールもずいぶん前から造っているほど、熱心な蔵元さんです。きっと地元でも愛されて、これからも素敵なお酒を届けていただけることでしょう。
因みに、この画像が最近の「つうの酒」です。

 梅錦山川株式会社:リンク引用:
「うまい酒をつくりたい」。そんな思いが、いつも私たち梅錦の酒づくりの出発点です。