商店街が飲み屋街に変わる 危険な予感

 商店街には何がある

商店街とは決して専門店街ではないはずです。
シャッター街ではなくても、様相が全く違ってしまった商店街があります。
昭和を振り返ってみましょう。

八百屋、魚屋、肉屋、乾物屋、米屋、豆腐屋、パン屋(お菓子屋)、和菓子屋、酒屋、牛乳屋、お茶屋、金物屋、本屋、文房具屋、電機屋、洋服屋、履物屋(靴屋・下駄屋)、雑貨屋、花屋、クリーニング屋、薬屋、タバコ屋、床屋。美容院、おもちゃ屋、自転車屋、湯屋(銭湯)、そして、そば屋(関西なら、うどん屋・お好み焼屋)、寿司屋、定食屋、喫茶店、ラーメン屋(中華食堂)。

さらに、時計屋、カメラ屋、着物(呉服)屋、ふとん屋、畳屋、ガラス屋、燃料屋。そして駅前には、不動産屋、果物屋。

全部ではないにしろ、こんな店が商店街には並んでいて、幾つかを兼ねている店もたくさんありました。大きな商店街では、味噌屋、漬物屋、海苔屋、玉子屋なども成り立っていました。

酒屋、米屋、牛乳屋、クリーニング屋は配達するのが当たり前。寿司屋、そば屋、ラーメン屋の出前も普通のことでした。

毎日の生活は商店街を歩くだけでほとんど間に合った時代です。スーパーマーケットも各駅に出揃っていて、まだ外食が少なかった 時代。
商店街には生活がありました。懐かしがって言っているのではないのです。スーパーができても、まだまだ商店街はしばらく機能していました。しかし、とんでもない状況になった商店街があります。

 幡ヶ谷六号通商店街

東京で有名な商店街はよく紹介されているので、それは他のメディアに任せるとして、今回取り上げてみたいのが、渋谷区にある幡ヶ谷の商店街「六号通商店街」です。批判ではなく、勝手な心配事です。
1980年代の半ば頃、この六号通商店街は周りでも有名な商店街でした。
大型の食品スーパーが駅前にあるにもかかわらず、先ほど上げたような店がズラリと並んでいたのです。飲食店も何軒かありましたが。

豆腐屋、クリーニング屋が順に姿を変えて行き、生活に必要な店が減っても、買い物客の需要の範囲内での変わり方で、商店街としては最近まで一定の機能を持っていたはずです。

ところがこの10年の間に、すっかり別物になりました。

今やまるで「飲食店街」いや「飲み屋街」です。しかも、ランチでは商売にならない飲食店ばかりですから、これはすごいことです。正直、異常と思えるほどに。

失礼ながら、買物目的で歩く街ではなくなっています。
これだけの飲食店が軒を並べ、さあいらっしゃい!と安さを競うように構えても、この街にこれだけの飲み客がいるとも思えません。私には「商店街」が的はずれな「専門店街」になったように見えて仕方がない。
決してシャッター街ではありません。
でも、昼の商売にはならないタイプの飲食店が多い以上、昼間はシャッターを下ろしたままのところが増えているはず。「隠れシャッター街」とでも言いますか、これは商店街崩壊の前兆に思えてならないのです。
杞憂に終わることを願いながら、気になってしまう今日このごろです。