新宿地下街の「和風」とは、そんな時代

 日本人がいない

日本の飲食店にアルバイトさんが、まるで集まらず、日本人の応募のみを待っていては、いくら募集費(何十万)をかけようが無駄だった時代があります。バブル最盛期はもちろん、その後もしばらくは飲食店(特に深夜)で日本人のアルバイト従業員を見かけることは、奇跡(少し大袈裟)でした。

その頃、結局頼らざるを得なかったのは外国人の就学生・留学生です。就学生とはほとんどが日本語学校生。留学生は専門学校生か大学生・短大生です。そして、中国、台湾、韓国、ミャンマーの人たちが多かったと思います。現在は、ベトナム、ネパールの若者が案外多いです。
外国人が仕事をするには制約が多く、両者が決まり事を守らなければならず、お互いに不自由でやりにくいことは確かです。

もちろん私もそういう外国人の人たちと一緒に仕事をしました。
それぞれのお国柄を実感させてくれたのも、そういう時代なればこそのこと。
休みの日に中国人と一緒に彼らが薦める中華料理の店に行くのは、一段と楽しかった。

どうやら世間の景気動向を語る人たちによれば、日本人はきついアルバイトなどしなくても、楽な仕事がいくらでも見つかった頃です。当時の3K(キツイ、汚い、危険)の筆頭業種のひとつが飲食業でしたから日本人の応募がないのは無理もありません。

 新宿サブナードの珍しい時代

新宿サブナードはつい先日漏水事故が起こってしまいましたね。
この写真はその1週間前頃のものですが、ちょうど写真の左側辺り被害にあったところですね。店舗の皆さんは大変だったでしょう。お見舞い申し上げます。

新宿サブナードは新宿東口の靖国通りの地下の300メートルほどと、新宿通りの地下までつなぐ歴史も古い商店街です。1973年にオープンしたようですから、かれこれ今年で43年ですね。

新宿サブナード

飲食店の従業員採用の負の流れがいくらか落ち着き、飲食店のアルバイトさんに日本人が結構戻ってきていた1995年前後のことです。

私が野方にある店舗に向かうのに、この新宿サブナードを通ることが雨の日は特に重宝でした。何しろ西武新宿駅には他のどの新宿駅からも濡れないでいけます。

そんな或る日、新宿サブナードで腹ごしらえをして行くことにして、店の看板を見ながら歩いていました。その時見つけた「和風◯◯」とある麺類の店に入ることに決めました。

正直、店の名も何を食べたかも思い出せないのです。しかし、ハッキリと覚えていることがあります。ホールも厨房もミャンマーの人らしい(当時東南アジアではマンマーの人が多かった)従業員さんでした。
食べた麺は不味かった記憶はないので、悪口ではありません。

ただ、「和風」とある店の従業員さんがまるっきり日本人でない違和感。この時、内心おかしくて仕方なかったことはよく覚えていて、この店がくぐり抜けてきた苦労まで勝手に想像していました。

珍しいはずのことが、実は珍しくなかった時代。
思い込みや固定観念があるからこそ、珍しくなる。
そう考えれば、大事なことを教えてくれた時代であり、その典型のような新宿サブナードの「和風」の店。
果たして遠くない将来、少し違う理由で、そんな時代を繰り返す気もしているこの頃なのですが…