ヒントは日常にこそある イベントの功罪

 健気に努力するイベント

これは私の失敗談です。
お客様に普段の店とは違う楽しみを提供するために、有り体に言えば、飽きられないために、居酒屋はよく「イベント」を行ないます。誰もが店頭で見かけることが多いと思います。

「今月のおすすめ」「納涼まつり」「エビ・カニ合戦」「マグロ尽くしウィーク」 「夏の天ぷらアレコレ」「福島の美味いもの市」「無濾過生酒フェア」「チョットだけオクトーバーフェスト」など。

お金をかけてチラシを造ったりして、頑張って集客するつもりで努力もしますが、費用対効果のほどは果たしてどうなのでしょう。
そんな中、気合はほどほど、シッカリ宣伝をしてではなく、本日のおすすめ的に行なったイベントの、教訓となったものをひとつ紹介します。

 アスパラ祭り

「アスパラ祭り」と銘打って、グリーンアスパラの料理を5品ほど並べた、イベントとも呼べない2日間のイベントです。
正直言ってその時の料理名を全部覚えてはいません。しかし、どんな料理だったかはいくらかわかります。
  • アスパラのチーズ焼き
  • アスパラと◯◯のグラタン
  • アスパラとベーコンのバター炒め
  • アスパラと△△の天ぷら
  • アスパラと季節野菜のサラダ
        各450円
確か、こんな内容だったと思います。多少違っていても大差はないでしょう。

アスパラ

2日間とも各店舗から報告をもらうと、それほど出ているわけではありません。ある店(A店)では2日分で予定してていたアスパラの半分以上、翌日に残ってしまったのです。

夕方にはA店に電話して店長と対策を相談し、20時頃にその店まで行きました。すると、その残っていたアズパラは、つい先ほど完売したと言います。
イベントの2日がかりで半分も売れなかったのに、わずか3時間足らずで売り切れていました。

 望まれているものとは別物

居酒屋ではなく、洋食の店や、洋風創作料理店などであれば、真面目に手をかけたオリジナルのアスパラ料理は、また別の存在価値があると思います。
おろしてソースに加えたり、ポタージュに入れて春の味をアピールしたり、冷製パスタの主役だったりすれば、アスパラの顔も立ててあげられる気がします。

しかし、和食中心の居酒屋にお客様が求めていたものは、全く「違う」という結果になりました。前の5品が全く売れなかったわけではなく、お客様の目には特に興味を引くものではなかったのです。

「アズパラマヨネーズ」 450円

A店がイベント翌日に用意した本日のおすすめ料理に、これを書き加えただけでした。ボイルして冷たくし、マヨネーズを添えるだけ。アスパラ料理としては、これ以上手簡単なものはありません。

ところが、お客様の求めていたアスパラはこれでした。
考えて考えて、手をかけて、特別な料理を作るよりも、素材が生きるシンプルな料理が、お客様には受け入れられる。そして分りやすいこと。これが「居酒屋」だということを教えられました。
ヒントは日常にこそある。
苦しい時、困った時、良くも悪くも、目の置きどころはそこにあります。