2016年ふくしま美酒体験in渋谷 その2

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 和やかな午後

人出が意外に少なく感じたこともあり、全体的にはゆったりとした雰囲気で、時間も場も和やかに流れていました。腰掛けるスペースやテーブルもあって、仲間同士の会話もゆっくりと出来ていて、皆さん環境も楽しんで参加している風でした。
とは言っても、全部のブースを回ってひとつひとつ味を聞くなどはできるはずもなく、私も全部は到底ムリでした。
私が試飲会で常に心がけているのは、大吟醸や純米大吟醸に気を奪われ過ぎないようにすること。むしろ、その辺には正直なところあまり興味がありません。
「家庭での日常酒」をいかに大切にしている蔵かを見たいと思っています。
ただ、こういった試飲会に参加する人たちが求めるものは、どうしても大吟醸や純米大吟醸なのです。ですから、蔵元もそれに応えようと品揃えをします。
これは仕方のない事だと思います。
私にとってはイタチごっこみたいで、時に歯がゆさを覚えます。
さて、今回はどうだったでしょう。
いくつか印象に残ったお酒や蔵元を紹介したいと思います。

 金水晶

福島市唯一の酒蔵です。
私は、一番に「金水晶本醸造」に目が行きました。
蔵元さんの話では、一番大事にしているそうです。ボトルのサイズも各種用意していて、様々な需要に応えられると話していました。
2016ふくしま美酒体験_金水晶
スッキリ系の味で、飲み飽きしないですね。
1.8L 1,941円(税込)

詳しくは蔵元のホームページで: 有限会社 金水晶酒造店

地元で愛される酒、やはり根底にこれがなければ足元が危ういですね。
確かに、1,500円になると品質の維持の厳しさもわかりますので、2,000円前後で日常に溶け込むことがラインのように思います。
いくら「国酒」だと言っても、日本人の多くに愛されてなければ、実態のない、言葉だけの価値に過ぎませんからね。金水晶さんのようにこうした努力をしている蔵元さんは、積極的に応援いたいものです。

 大七

大七純米生酛
こちらの「大七純米生酛」は説明するまでもない有名ブランドです。
「お燗酒日本一」と謳い、その称号もすでに定着しています。
ブースでもお燗で試飲できました。私もそちらをいただきましたが、流石です。厚みがあり過ぎないので飲み飽きることなく、盃を重ねられる。ついもう一杯!と言いそうになるのを、ぐっと堪えて「やっぱりコレですね。」と言うに留めました。
この安心感のあるお酒は、まさにホッとする時間を与えてくれます。どこででも手に入るという訳ではないのが残念なところです。

 雪小町

有限会社渡辺酒造本店
雪小町本醸造本格辛口
  • 酸度:1.3
  • 日本酒度:+10
  • AC度数:15度
  • 972円(税込)/720ml

コストパフォマンスもいいですね。まさにキリリとした辛口です。
どうしても辛口を求める人が多いですが、世間で言われる「辛口」ほど怪しい物はありません。おそらく造り手にしてみれば、辛口の酒を造るだけなら、きっと難しくはないことでしょう。そこで「旨い辛口」とした時に蔵人の苦しい選択が始まるのではないかと、私は考えています。

蔵元さんから詳しく話を聞くことができなかったのは少し残念でした。

この酒は辛さを求める人にはピッタリかも知れません。非常にわかりやすい。辛口酒を覚えてもらい、自分の好みを探していく基準にしてもらうと良さそうです。

2016ふくしま美酒体験04

弥右衛門

純米辛口 弥右衛門
  • 酸度:1.4
  • 日本酒度:+8
  • AC度数:15度
  • 2,376円(税込)/1800ml
蔵元のコメント引用:

当店の一番人気商品。自社田・自社栽培の福島県の酒米、夢の香を58%まで精米した純米辛口。辛口で食事にもよく合い、幅広いお客様におすすめです。冷酒・お燗どちらも楽しめる地元喜多方では普段飲み用としても愛されているお酒。燗酒コンテスト5年連続受賞酒。

地元での一番人気とあるのがわかります。近所の酒屋さんにおいていれば、その気持ちになると思います。

 末廣

末廣酒造株式会社
伝承山廃純米 末廣
  • 酸度:1.6~1.8
  • 日本酒度:±0
  • AC度数:15.5度
  • 2,268円(税込)/1800ml
蔵元のコメント引用:

明治末期に山廃造りを創始した嘉儀金一郎氏が、大正初期に試験醸造したのが末廣酒造嘉永蔵。当時から伝承される末廣の嘉儀式山廃造り。酸味と甘味が入り混じるバランスよい山廃純米酒です。

私がブースで「こちらをお願いします」と伝えた時に、「温めたほうが良かったかもしれません」と言われました。冷やした状態で何の問題もなく旨さは伝わってきますが、「なるほど、温めると更に美味しくなりそうですね」と答える自分でした。

福島はいいなあ。やっぱり、いいなあ。

更に続きます…