サワーの正体 濃さの妙味が秘訣

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 サワーの正体

サワーという飲み物が世に登場して、はや40年。
そんなものがなかった時代を謳歌した人も、多くが酒呑みの現役から引かれていますね。
博水社さんの「ハイサワー」という、レモン味の炭酸水が発売されて、焼酎をそれで割ることが爆発的にヒットしたことから、「サワー」という言い方が恒常化したように記憶しています。

それ以来、焼酎を炭酸で割ったものに、何らかの味付けをしたものを「◯◯サワー」と名づけて居酒屋はメニュー化しました。そこから、「サワー」と言えば、焼酎の炭酸割りと同義語になってしまった。
善悪はともかくとして、このサワーが一時代を牽引し、定番のウーロンハイ、緑茶ハイが生まれるに至る歴史は、ある意味酒呑みの革命だったかも知れません。これも本来の言い方なら「ウーロン割り」「緑茶割り」が正しいはずですけど。

何しろ「ウーロンサワー」と言う人が居ましたから。焼酎を何かで割れば「サワー」だと信じていた人もいたのでしょう。

 サワーの割りもの比率

美味しいと感じる味は、人それぞれだということを、わかった上での話としてください。
お客様がサワーを注文する時に、「濃いめでね!」と言う人はかなり多くいます。
これは何を根拠に言っていいるのか、判断に苦しむことが多いのです。
私には「美味しくして!」と言う意味ではなく、「安く酔わせて!」という意味にしか聞こえなかったのです。
私が知るかぎり、焼酎と炭酸(ウーロン茶)の黄金比率は1:2か1:2.5と言われていました。25度の焼酎を1:2で割ると、アルコール度数は約8度(8%)、1:2.5なら7度です。そこに氷を加えて飲めば、溶け具合で5~6%になると考えられます。

サワーの流行と相前後して、ビールのアルコール度数が、「アサヒスーパードライ」の大ヒット以来、ビールの主流だった4.5%ではなく、5~5.5%と高めに変わってしまったのと重なっています。

実際、居酒屋の実状として、3%くらいにしかしてないところも多いと私は感じていました。私のいた店は、たいてい1:2.5の7%にしていました。その方が美味しいですから。

※ 以前私の記事で紹介した「ホッピー」のところにも関連があります。
ホッピー 庶民の味方の正しい飲み方

だけど本質はどうでしょう。
お湯割りならともかく、サワーの焼酎を濃くして、12%以上にして飲んで美味しいのでしょうか?
私にとっては、アルコール度数の問題は美味しく飲むための重要項目です。ビールの5%前後、ワインの12~14%、日本酒の15~16%、これはやはり美味しく飲むための絶対数値だと思えるのです。中途半端が一番まずい。旨くないのです。
「焼酎濃いめでね!」という人たちが求めている物が見えない自分が、情けなくなることがあります。果たして、酒を呑むことには、何が大事なんでしょう。
・ 美味しく飲む
・ 酔うために安く飲む
この接点の在りどころから、私はどう学べが良いのかを、今後のひとつのテーマにしたいと思う、今日このごろです。