La Malle de Bois ラ・マル・ド・ボァ おまけ

 ラ・マル・ド・ボァ 観光を演出

この宇野駅というのは、瀬戸大橋が開通するまで、本州と四国を結ぶ「宇高連絡船」の発着する拠点の駅でした。瀬戸大橋が開通してからは、途中の茶屋町駅で、宇野みなと線と瀬戸大橋線に別れます。
宇野みなと線(昔は宇野線)は、昔も今も単線です。
確認はしていませんが、普段はワンマン運行ではないかと思います。
現在も宇野港と高松港を結ぶフェリーはあるようです。
しかし、今の宇野港は瀬戸内海の島々への連絡船乗り場としての役割の方が中心のはずです。

そして、私の知る限り宇野港周辺は静かな町に変わっていました。

画像はラ・マル・ド・ボァ専用メニュー
ラ・マル・ド・ボァ・メニュー
今年の3月から「瀬戸内国際芸術祭」が島々で開かれていることもあり、「観光」というキーワードがより重く存在する状態になっているのだと思います。
きっと人は集まって来ています。
私がしばらくぶりに訪れたこの宇野港や直島、フェリーの乗客を見て、それは痛切に感じます。
観光とは、究極、手に取れないものを売ることだと私は今回知った気がします。

名産品はどの土地に行ってもあるでしょう。美味しい物の代表もあるでしょう。美しい、奇跡のような景色もあることでしょう。
ところが、今の世はお取り寄せで、ほとんどの名産品は手に入ります。実体験ではなくとも、景色はある意味画像や映像でも工夫次第で現在の技術があれば代用できます。その場に行って実際に「観た」という意義は別物だとは思いますが。

 手に取れないものは「人の手」

私に見えたものは「人の手」でした。

誰のせいとは言わないまでも、観光地のトイレが綺麗でなかったら、すべてが台無しではありませんか?

でもここに清潔さを求めるには、何が必要なのでしょう。
今回私が乗ったこの列車。普段のワンマンではなく、4名の乗務員さんがいました。そしてグリーン料金の770円がかかりました。観光で人に満足させるためには「人の手」が必要です。それには経費がかかります。サービスは絶対にタダでは成り立ちません。

私が携わっていた飲食業。
多くのお客様に、この「人の手」をあまり意識させては寛げません。それ故に、お客様の求めるサービスによっては、「人の手」がどれほどかかるかを主張して、あからさまに請求することは不可能です。イベントと称して安売りが成り立つ飲食店は、そもそも偽物でしかありません。
そんな店は、そもそも安い料金で成り立つのに、普段から高い料金でお客様に売っていると思った方が、正解です。
素材に(原価に)お金をかけない、人に(人件費に)お金をかけないで、お客様を満足させられる商売があれば、勉強不足の私は謝るしかありません。

逆に、それだけお金を払わなければ、満足するサービスは受けられないことを、利用者側も理解する必要があります。
お客様からもらった代金に、それ以上のクォリティを加えて応えるのが「サービス業」だと思います。だからこそ、このラ・マル・ド・ボァ。なかなか考えられた商売です。私の中の商売に、新しく勇気を与えてもらいました。

トイレの問題を振り返ってみると、人里を離れた観光地なら、有料トイレでいいのではないかと思います。実際は「募金箱」のようなもので「協力を求める」しかないでしょうけど。
例えばとして、そう考えてみると、新しく見えてくるものはあるように思います。