King Whisky 凛(宝酒造)の居場所

 凛 宝酒造のWhisky

原材料:
モルト、グレーン、ブレンド用アルコール
アルコール度数:37%

安さも気になって、宝酒造のウィスキーなのも気になって、買ってしまいました。
ブレンド用アルコールとは、耳慣れない名前です。
蒸留をして得られたアルコール分だけでなく、ブレンドで加えるとは、ウィスキーにもあるのかと意外でした。アルコール添加しても「ウィスキー」と呼べるかどうかを、これまで難しく考えて来ませんでしたが、これは別名「醸造用アルコール」です。

ウィスキーのウィスキーたる基準はどこにあるのか調べてみました。
酒税法
(昭和二十八年二月二十八日法律第六号)
十五  ウイスキー 次に掲げる酒類(イ又はロに掲げるものについては、第九号ロからニまでに掲げるものに該当するものを除く。)をいう。
イ 発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)
ロ 発芽させた穀類及び水によつて穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)
ハ イ又はロに掲げる酒類にアルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの(イ又はロに掲げる酒類のアルコール分の総量がアルコール、スピリッツ又は香味料を加えた後の酒類のアルコール分の総量の百分の十以上のものに限る。)
 
大事なのは「ハ」なのですが、この言葉はわかりづらい。法律言葉とでも言うのでしょうか、意味を理解するだけで疲れます。

 少し乱暴に計算

例えば、アルコール度数90%の原酒が100Lできたとします。
このアルコール量は90Lですから、割物を入れた合計が、900L未満になるようにすれば良いということですね。
凛02
仕上がりで40%のウイスキーにしたければ、加える800Lのうち、アルコールを360L-90Lの270Lにして、水や糖類、色素、香料を540L-10Lの530Lよりギリギリ少なくして味の調整をすれば、900L弱のウイスキーが出来上がりです。
調整後の「アルコール分の総量の百分の十以上」が原酒のアルコールですからね。

100L→ 900L こんな乱暴な計算、合ってますか?
もっとも、これでは全く旨くないでしょうけど。
要は、
ウィスキーの基準では、ウィスキーと呼ぶのに必要な基準は相当緩いということがわかりました。昔、日本酒で「三増酒」と呼ばれ、それは原酒を水、醸造用アルコール、糖類を添加して三倍にまで量を増やしていると言う酒でした。まるでそれに近いウィスキーということになります。

 自分の居場所

日本酒の場合は、「特定名称酒」というものを設けて基準を明らかにしていますが、ウィスキーにはこれがないようです。
良質なものと、量販的なものが店頭の売価だけではわかりません。価格的にも特別大きな差がないことも判断基準になりにくいわけですね。
「凛」
ストレートでの味の評価は控えます。
ソーダで割ると、蓄えた甘みが上手く溶け込んで、意外に美味しく飲めます。でも、グラスに鼻先を寄せたところで、残念ながらウィスキーの美味しさの原点の香りはほとんど伝わってきません。含み香に微かな香りが残るだけです。
しかし、このハイボール。
「凛」にとっていは良い居場所じゃないですか。
自分の居場所が決まっているものは強いと信じています。
私たちは改めて、ウィスキーの美味しさを見直す時代に入ったように思います。