日出(ひじ)城址 城下カレイの町

 石垣の城跡

大分駅で天気予報を信じて、100円の傘を用意して向かった先は「日出駅」。
30分余り揺られてホームに降り立つと小さな雨も降りて来ました。
「日出」、知らなければ「ひじ」とは読めませんね、もちろん私もです。急な階段を下ると、トンネル状の通路を抜けて外に出ます。何だか懐かしさがいっぱいの駅。


すぐ近くに「二階堂酒造」があるので、そちらへ向かってみます。酒造の手前には「二階堂美術館」もありましたが、美術よりも美酒に心惹かれる私としては酒造の方が嬉しい。広大な敷地の奥に、巨大なタンクが6本見えます。受付で聞いたところ、一般客は敷地に入るのもお断りしているということで、外から眺めるのみにしました。


日出駅から15分ほど歩けば、街の中心の暘谷(ようこく)駅に辿り着く距離ですが、その間に古い城下町が続いています。日出城址はその海岸線にあり、城の石垣のすぐ下が海です。そしてこの石垣の下でとれるカレイが有名な「城下カレイ」です。あいにく旬からは季節も外れ、時間も中途半端だったので、食べることは諦めました。しかし、ふらりと歩くには音もなく静かな雨が却って心地よく、街もしっとりと色合いを変えて、城下町の風情にぴったりでした。

案内によると、この城下の海がカレイの生息場とありました。海の中に見える囲いもそのカレイに関わるのでしょうか。カレイにお目にかからずに離れがたしというところです。しかし、どこかの店に入るにも中途半端な時間で残念です。

 新旧のコントラスト

今は天守閣や郭の代わりに、石垣の上には広い校庭の小学校がありました。
城址の横には、これまた立派な中学校。
その少し先には、滝廉太郎さんの祖先の生誕地が幼稚園に変わっていて、幼少中と教育機関の勢揃いです。
海とは反対側に位置する、小学校の正門前には「二の丸館」という観光案内と土産物、休憩所と軽食という、何でも屋でありながら落ち着く場所がありました。
ひと休みしてお土産を見繕うには最適。

私が見つけたのが「日出焼」のぐい呑です。
薄い青緑が特徴だそうで、中にカレイまでいました。
城下町の中心には懐かしげな佇まいの酒屋さんも。
確かに古い町自体は寂しくなっているのでしょうが、数年前に新設された暘谷駅には、南側の城下町の風合いとは違い、北側に生活の拠点としての新しいショッピングセンターがあり、図書館が同居し、周囲に家電量販店や大きなホテルがありました。

暘谷駅は数年前に新設されたと聞きました。

日出駅よりも西側に町が発展したために、日出駅では不便で遠くなり新設したのでしょう。
暘谷駅の周辺に住む人は増えているように感じます。
小学校と中学校を見るとまだ新しい校舎で、古い町並みを見ているだけでは立派すぎるほどに見えました。

それにしても、雨の午後とは言え人がいません。歩いていて、すれ違う人も数人いなかったかも知れませんね。


普段、東京というイビツな町で生活していると、それが普通に見えていて、日本の多くが抱える問題に気づくことがありません。

これは私が自分に戒めておかねばならないことであり、地方の悩みを理解するための妨げにしかならないことも、同時に胸に刻む必要がありそうです。

詳しくはわからない余所者の目で見ても、この町はすごく素敵です。
新旧の良い所が融合すれば楽しみが増えるように思えます。
近くでないだけに、繰り返し訪ねることは容易でありません。
しかし、是非また寄りたい町です。竹田だけでなく、こちらも応援したいですね。
勝手な応援隊として…