小倉で迷う…「ぽぽ庵」に学ぶ!

 小倉に店がない

流石に小倉、大都市です。
金曜の夕方だけあって、飲食店は人の波を待ち受けるためにそっと息を潜めているようです。
一旦、宿に荷物を預けてから、コーヒーでも飲もうと店を探したのですが、宿周辺で30分ほど探しても見つかりません。
結局は駅近くまで行って、ふう~と余計な一息までつくことに。宿のある立地はそんなに特別な場所なのかな?

日が落ち、勤め帰りの人たちが目立つようになった頃、今夜の店を見繕いながら宿へ一度戻りました。

19時を回った頃に、改めて出陣です。
幸い私の宿の周囲は飲み屋街らしく、店の数はいくらでもあります。しかし、いかにものきれいなお姉さんたちが、急いで店に向かっているに違いない姿をたくさん見かけます。どうやら、お姉さんが売りの店の方が多いようです。客引きのお兄さんたちも力が入っています。

当然、居酒屋も多く、選び放題だとほくそ笑んだのも束の間。

ところが、ところがです。
肉、肉、肉、モツ、モツ、焼きとり、焼きとり、串揚げ、中華、ふく、魚。
今の私にはいくぶんキツイ。小倉の人たちは元気だなあ。
数はあれど、どうにも私には肉類に偏って見えて、「入りたいな」という店が見つかりません。
さあ、困った…

 食彩 ぽぽ庵

一時間近く彷徨って、店に迷った挙句に、コンビニ弁当になってしまうのかと諦めかけた時、目に止まったのが「ぽぽ庵」です。

細い路地の、ビルに隠れるようにある店です。やわらかい入口の雰囲気に、「ここだ!」と心の中で叫んでいました。

やや不安気に扉を開くと、若い女性スタッフが満面の笑顔と明るい声で「いらっしゃいませ」と迎えてくれました。
私にはそれだけで充分。

すると、すぐにカウンターからも店の奥からも、明るく「いらっしゃいませ」と声が届きます。やはりここを選んでよかった。

歩き疲れて、小さな溜め息の後に最初は生ビール。
お通しのレンコン金平がいい味です。
オーダーはちょうど旬の「安納芋の天ぷら」と、「イカ刺し」(スミイカかな?)。どちらも丁寧な仕事をしています。

女性スタッフも気軽に話しかけてくれ、一気に和みます。

お酒は地元福岡の「天心・純米吟醸」をいただきました。
  •  精 米 歩 合:  50%
  •  アルコール分: 15度
  •  日 本 酒 度:  +3
  •  酸         度:  1.4
とてもいいバランスの、味わい深い一品です。マスターのセンスですね。

焼酎は鹿児島からの限定芋焼酎「夕(せき)」をロックで。

個性のある香りで、この焼酎は魅力あります。
〆は「かも麺」
「ぽぽ庵」のオリジナル料理だそうで、タップリと鴨が入った上品なスープに、こんにゃくなどの具材と麺が入っていて、熱々の土鍋で提供されます。
なんとも絶品ですよ。
女性スタッフの一人は、私と入れ替わりのように、明日は友人の結婚式で別府まで行くということ。JRの今日のトラブルも明朝には解決していることでしょう。
 
この店は本当に素適です。
何よりスタッフが飛び切りに素晴らしい。
本当にありがとう。
ここに来て良かった…

 「ぽぽ庵」に学ぶ

店長?は鹿児島出身で、東京の某有名会社で営業の仕事を長くやっていたそうです。その後に、この小倉に移って、今に至っているのですね。

私の長い酒呑み生活で、今回ほど店に迷ったことはありませんでした。だからこそ、この「ぽぽ庵」の対応がありがたかったのです。

私もこれまで同業として、「笑顔で、そして明るい声で、お迎えすること」が一番大事だと信じてきたのです。
しかし、そのことを今回ほど自らで実感したことはありませんでした。間違っていなかった。そして、料理やお酒もさることながら、人を引きつけるのは、やっぱり「人」が全てだと。
わざわざでも、改めて必ず再訪しなければいけないお店です。「ぽぽ庵」さんの更なるご発展をお祈りします。