焼きとりの 珍品 トリ?豚?

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 メニューを知らない従業員

「焼きとり」と「もつ焼き」を、一緒にてしまうことは珍しくありません。なにしろ店のスタッフが違いを解ってないケーズもあります。

ある串焼き専門店で、「ここのレバは鶏?」と聞いた時に「はい、鶏です。」と答えてもらって、「じゃあ、お願い。」とたのんだ後、出てきたのが豚だったということもあるくらいですから。

知らない人、気にもならない人にとっては、そんなことどっちでもいいことなのです。私もそれはそれで良いと思います。ただ、提供する側としては、知っているのが当たり前。と、そう言うと厳し過ぎるのでしょうか?

神保町で訪ねた焼きとり専門店。
ここは、鶏も豚も両方置いていました。

ハツモト・タンモトひっそりと貼り紙をしているメニューに「つなぎ串」。鶏のレバとハツ(心臓)をつなぐ部分の串焼きです。「ハツモト」とも言い、いずれにしても希少部位。
「つなぎ串」をたのむ時に、「タンモトはないの?」と同行者がきくと、「ありますよ。メニューには書いていませんけど。」という返事。
こちらは豚です。

これをそれぞれ120円と、他の串と変わらない売価で出してくれます。

 メニューにないメニュー

店のメニューというのは、このどこにも書いていないというメニューの存在がポイント高い。

これは誰もご存知のことでしょうが、こういうメニューをそっと用意しておくことが、固定客づくりに役立ちます。

もちろん、その後タンモト串を追加注文したのは言うまでもありません。
美味しいから希少品なのか、珍しいから美味しく思うのか、はわかりませんが、これらが珍品であることには違いありません。他では味わえない食感と脂分です。確かに癖になる。
タンモトのお替わりをたのむと、17:00だと言うのにもう品切れ。残念だけど先ほど食べられただけラッキーでした。

この店、焼き方が絶妙です。
他にたのんだ、ハツもレバも確かに旨い。
ここまで理屈を言いましたが、焼きとりのポイントは「焼き加減」です。
どんなに物が良かろうと、焼き方ひとつで価値は激変します。
さあ、私たちの楽しみは、これを保証してくれる世代にみごと受け継がれるのでしょうか?
それを心配しながらの、我がまま半分、期待半分の時間でした。