赤羽で「櫻一文字」兵庫県丹波の酒

この記事の目次

 赤羽・まるます家

ちょっとした仕事の打合せで赤羽です。
今や赤羽の名物居酒屋に留まらず、東京の名物居酒屋とも言うべき「まるます家」さん。この日はこちらに寄る気はなく、前を通ったので近づいてみると、何だかお休みのようです。

珍しい!何かあったのかと心配になります。

何しろ普段は朝から飲める居酒屋。「鯉とうなぎのまるます家」というテントの文字と提灯に書かれた文字こそが、この店の在り方をしっかりと表現しているように私には思えます。
メニューの値段は決して安居酒屋のものではありません。しかし、この店は加工品(冷凍食品)は扱っていないでしょう。全てが手作りでしかもボリューム満点。結果的には「安い!」となります。

入口には「酔っている人はお断り」という旨の張り紙があり、二次会や三次会では来てくれるなと言わんばかり。飲ませてくれる酒類の杯数も決まっていて、「気持ちよく酔ったら帰りなさい」と何とも親切です。従って2時間を超えて長居するような無粋なお客様は少ないことでしょう。

しかし、酒好きの肝をしっかりと抑えていて、季節のものを必ず置いているのも魅力です。前回来た時には、意外なほどに若い女性のお客様が誰にどこで聞いたのか、来店して写真を撮りながら、この景色そのものがインスタ映えするのか楽しそうにしていました。
いつ行っても何時に行っても飲めるという手作り居酒屋なんて、なかなか他で見ることはありません。前回も平日の15時だと言うのに満席でしたから、それが答えだと受け止めています。

 櫻一文字純米酒

打合せが終わり、赤羽まで来て酒を飲まずに帰る訳にもいかず、歩き回ってみたものの、お目当ての地酒の店が見つかりません。探し方が悪いのかも知れませんが選択肢は随分と限られた感じです。
「かんどころ」という、ビルの4階にある店に入ってみました。
地酒が全22種類。これだけ揃えていれば立派なもので、割安感のある店ではありませんが、ゆっくりと落ち着いて楽しめるところが、むしろ赤羽らしくないと言うと失礼でしょうか。

ここで「本日のお酒」をきくと「櫻一文字」。正直、聞いたこともないお酒で、兵庫の辛口のお酒だと若い女性のアルバイトさんが答えてくれました。ちょうど桜の季節でもあり、これを燗でいただくことにしてボトルを見せてくれるようにお願いすると、彼女は気持ちよく応えてくれて持ってきてくれたのがこの画像です。

 櫻酒造株式会社

櫻一文字純米酒
・ 精米歩合   70%
・ アルコール度 15~16度
スッキリと飲みやすい辛口酒で、飲み飽きせずにいけそうです。アルコール度が低くないので、味が整っています。
ネットで調べると白鶴さんが取引先の主らしく、発売しているのはもしかするとこの1種かも知れません。
東京では桜の開花宣言もなされたばかり。桜の名のつく酒をあれこれと理屈をこねながらいただくのもご馳走の一つ。

 ホウボウのお造り


ここに添えた料理が「ホウボウのお造り」でした。冬が旬の魚で、白身の高級魚。独特の形状なので知っている方も多いと思います。頭が大きく歩留まりが悪いためどうしても高くついてしまいます。以前はホウボウのお造りなどあまり見なかったのに、ここ10年ほどは居酒屋でも扱いが増えたようです。
深い甘みというか旨味というかこれが良かったです。最初はワサビ醤油でいただき、途中からレモンを絞ってポン酢のように。やはり日本酒を飲んでいる時に魚を欲しくなるのは自然の理。
旨い酒と旨い肴。
赤羽らしくない風景の赤羽で、地酒を楽しんだ夜でした。