雪置遊(せっちゅう)純米吟醸

 雪置遊(せっちゅう)純米吟醸・新潟

雪中貯蔵酒・雪置遊(せっちゅう)純米吟醸酒。
新潟県長岡市の酒蔵、中川酒造株式会社さんのお酒。
主要銘柄は「越乃白雁」なので、その名前を出せば知っている人も多いはずです。


実は、私が飲んだのは今年(2018年)発売のものではなく、2017年のものを新潟の友人が夏に送ってくれて、しばらく冷蔵庫に寝かせて2017年暮れにいただいたもの。瓶詰め後に一度火入れしてから雪の中で貯蔵しているそうなので、いわゆる生貯蔵酒です。
裏書きのラベルによると
・ 雪中貯蔵酒
・ アルコール 17
・ 精米歩合 59%
極寒期に搾った純米吟醸酒を100日間雪の中で貯蔵させた雪中貯蔵酒です。自然の恩恵を得て生まれた風味豊かな味わいを冷たく冷やしてお楽しみください。
以下が私の感想。
麹のフレッシュ感とブドウを思わせる吟醸香。甘みの中に意外な辛さも感じながら、香りと一緒に旨味が舌の奥に落ちていく。かなり力強いお酒ではあるが、全体は丸くこなれた風な所が雪中貯蔵酒らしいところか。

雪国の酒蔵の一つの売りである「雪中貯蔵」。ところが、手間も大変らしく、商品として取り組むのはかなり覚悟がいるようです。確かに、ある程度計算はできても寝かせてどう変化するかの保証もなく、余裕がなければやはり難しいのかも知れません。語呂合わせとは言え、雪置遊(せっちゅう)のネーミングも面白い。私は最初読めませんでした。

 商品作りの違い

私が長く携わっていた居酒屋では、新しいメニュー開発をして、たとえ売れなくても、そんなに痛手になることはありません。多少の仕込みはしていても、途中から売れるものに変更することは可能です。しかし、日本酒というのはそんなに簡単に模様替えできるとも思えませんし、無駄にするコストも大きいでしょう。

飲食店というのは料理を完成する前ならば、いかようにも作り変えることができるのです。メニュー名にとらわれることなく臨機応変が得意です。
商品開発という未来へのチャレンジは誰にでも簡単に許されるものでないのはわかります。一時に居酒屋で流行り、最近はあまり聞かない名称があります。
「創作居酒屋」という看板。

特に日本料理の場合、「創作」とは言いながら、目先を変えているに他ならず、基本の手法を変えることではないようです。茶碗蒸しの具材に珍しいものを使うとか、盛り付けに斬新なアイデアを入れるとかで、調理技術に新しいものが加えられることはありません。これこそが、日本料理は追随を許さない基本が出来上がっているということだと思います。

雪置遊(せっちゅう)の立ち位置がこれからの日本酒シーンに面白いです。日本酒の向かう先に一つのヒントとして雪置遊(せっちゅう)がポイントを上げることを望みたい自分です。
近頃思うことながら、日本食の価値を世界で認められてきているのは事実でしょうから、その価値の本質を高めてもらいたいと思うのは私だけはないと信じたい気持ちでいっぱいなのは、お目出度いだけなのでしょうか?