2018長期熟成酒ルネッサンス その3

 奥の松酒造株式会社・福島

なかなか心憎い演出で見せてくれます。普段から日常酒としても私たちの味方になってくれている酒蔵です。そこが出展して古酒を披露しています。

奥の松1988年特別純米古酒
30年の眠りからここまで届いたお酒ですから、かなり貴重な一品になります。写真でもわかるようにボトルも高級品仕様でまさにプレミアム。いかにもどっしりとした味で飲みごたえも満点。
以下のデータは蔵元ホームページから引用:
容量:   720ml
日本酒度: -6.0
アルコール度:  15
酸度:   2.0
使用酵母: 協会酵母
精米歩合: 60%
売価:   5,400円(税込)/720ml
お値段の方は簡単に購入できるものではありませんが、こんな時こそ試飲でいただいておくのは正解です。
酸と甘味のバランスは日本酒の魅力の一つです。特に熟成酒の場合、この両方の数値が高い造りのものが多いのは事実で、何年もの時間の経過に耐えて打ち勝つにはヤワな造りでは敵わないのでしょう。

 稲見酒造株式会社・兵庫

播磨乃國三木 葵鶴とラベルにあります。これまで見逃していたのか、私には初めての酒蔵でした。兵庫県は全国で3位の酒蔵数を誇る県で、確かに大手のメーカーも多いのですが、土地柄も含めて古くから地元に根づいて酒造りを続けているところもたくさんあります。
「灘の生一本」という言われ方で「灘の宮水」を生み出す地域そのものがブランドのように扱われるケースもありながら、さらに酒米「山田錦」の産地としても有名な兵庫県。
特にこの稲見酒造さんのある場所三木は日本一の酒米とも言われる山田錦の特産地です。そんなお蔵さんを知らなかったとは、私も迂闊でした。

葵鶴大吟古酒・純米大吟醸
パンフレットによると、麹比率が高く、熟成12年とあります。麹米比率は普通で15%くらいと聞いているので、果たしてどのくらいの比率なのでしょう。試飲させても立った時にはそれに気づかず、残念ながら尋ねないままでした。
麹米比率が高いと一般には味の濃い米の旨みの詰まったお酒になるようですので、熟成古酒にするには、手間や原価を考えなければ最適の方法だと思います。
そこにも拘りながらの酒造りをされているのでしょう。
稲見酒造株式会社ホームページより引用:
低温貯蔵、常温熟成を合わせて10年以上寝かせた山田錦を使った純米大吟醸の熟成酒です。琥珀色の美しさ、優しい口当たり、奥深い味わいなど、長期熟成酒ならではの「風格」をゆっくりとお楽しみください。油を使った料理とも相性が良いようです。
2,954円(税抜)/720ml

高いか安いかは個々の判断に任せるしかないのですが、私はお気に入りの熟成古酒でした。

更に魅力的だったのが、横に用意してくれていた「トリュフ塩」で、これを手に乗せてほんの少しなめながら葵鶴大吟古酒をいただくと、お互いの香りも引き立ち、ますますこの葵鶴大吟古酒が素敵になるのが堪りませんでした。
こんな粋な計らいをしてくれるのも、「長期熟成酒ルネッサンス」の魅力のひとつです。

 望月商店・神奈川

こちらは酒屋さんです。熟成古酒を積極的に扱っている神奈川県厚木の酒屋さんで長期熟成酒研究会のメンバーの方。

こちらが用意してくれていたのが宮城の平孝酒造さんの日高見。

日高見天竺雄町純米吟醸
日高見は一般にはまだ無名に思われます。しかし、宮城の酒蔵の中でも日本酒好きにはかなり名の売れた銘柄です。

今回の出品は16年熟成です。おそらく望月商店さんが独自に保存熟成させたのだと思います。意外にすっきり感のあるお酒で、古酒は苦手という人にも受けそうです。ただ、元々が16年前には4,000円ほどだったろうと思うのですが、5,400円(税抜)/720mlとなると、ちょっと手は出しにくいかなと感じました。

長期熟成には時間も場所も必要ですから、その分がどれだけ上乗せされて納得できるかも大切です。商品としての価値を決めるのはなかなか簡単には無理なようです。