千葉県産酒フェア・松戸観光案内所 その3

  聖泉(せいせん)と柏自慢

千葉県松戸市の観光案内所・千葉県産酒フェア
聖泉は富津の竹岡にある酒蔵の和蔵酒造さんが造っているお酒です。その聖泉の一つの銘柄として別途に「聖泉柏自慢」として造られているのが今回並んでいた「純米柏自慢秋あがり」でした。
従って、柏自慢と聖泉と2種類の秋あがりが出品されていました。

 聖泉・純米柏自慢秋あがり

千葉県柏市産のお米「ふさこがね」100%で造ったお酒だそうです。ネットでいくつか見ていると「柏の地酒」と紹介しているところもあるのですが、果たしてどうなのでしょう。いくら柏市産米100%と言っても造っているのは富津の酒蔵。うーんと悩んでしまいました。柏の地酒?富津の地酒????


千葉県産のお米で造りたいという思いからこの商品を造ったのだろうと想像すると、素敵な試みではないですか?

「コクのある旬の旨み」とテーブルの価格表に簡単な説明があります。
私は細かいデータは控えてないので詳しく紹介できません。しかし、純米らしいふわりとした柔らかい口当たりだったと記憶しています。
松戸で開催されたイベントですから、隣の柏市の顔を立ててか「純米柏自慢秋あがり」の並べ方は和蔵酒造さんの本日の主役であることは間違いないところ。
売価 1,230円(税込)/720ml
きっとこれはお買い得だと思います。

 聖泉純米吟醸秋あがり

美酒探求ちばの酒街道」さんのホームページに紹介文がありましたので、そのまま引用させてもらいます。
香りは控えめで料理との相性を考慮した。口に含んだ印象は、やや辛めで厚めのコクを感じる。冷やして飲むより、温めて飲む方が素敵な感じ(中略)
 原料米  :千葉県産ふさこがね、総の舞
 精米歩合 :60%
 日本酒度 :+1
 酸  度 :1.6
 アルコール度:15度
 売価   :1,300円(税込)720ml

ここにも燗して飲むことの提案があります。単純に言えば熟成させて旨味がのった酒は冷やしたりするよりも温度をやや上げて、風味や酸も立たせて丸めたほうが生きると言うことなのかも知れません。
ラベルからのイメージは秋も深まった頃を思わせて、じっくりと味わうに相応しいお酒です。

千葉の房総は海に囲まれていることから海の国というふうに捉えがちですが、実際の房総は山の中。海岸線に迫る山並みをくぐり抜けてたどり着くと考えると、このラベルの雰囲気はぴったりに思えてきます。

和蔵酒造株式会社・和蔵酒造竹岡蔵

 2018年Kura Masterプラチナ賞・仁勇

 仁勇純米酒NEW

2017年から始まって2回目の「2018年Kura Masterプラチナ賞」を受賞したお酒だと紹介されました。ボトルの首掛けPOPには「フランス人によるフランス人のためのフランスの地で行う、日本酒のコンクールです。」と紹介があり108種類の出品があった純米酒部門で勝ち取ったプラチナ賞。
いわゆるフランス人の好む味わいの日本酒と考えればいいはずです。


仁勇純米酒NEW
 売価:970円(税込)/720ml

私にはどうにも味の印象がやや薄く、お米らしさが弱い造りに思えたのは仕方ないことなのでしょうか。これには先に熟成感の強い「秋あがり」や「ひやおろし」を中心に試飲しすぎたことが理由かも知れません。値段はかなりお得感があったにもかかわらず、この日は他の「ひやおろし」にターゲットを絞ったために買い求めるには至りませんでした。しかしこれは悪くいうつもりでないことを以下でご理解ください。

確かに海外への日本酒の普及に多くの酒蔵さんたちが協力しあって、努力しているのは度々伝えられています。世界の需要を考えると「ワイン」がその競争相手になることはわかりきっていて、「ワインに勝つには」がテーマだとみなさんが捉えているのも間違いありません。そんな中でフランス人がフランス人のために選ぶコンクールというコンセプトはまさに分かりやすい企画です。
かつて山口県の獺祭・旭酒造の元社長の桜井さんは、ワインにすり寄るのではなく、今のままの味で勝負する、とそんな意味のことを言われていたのを覚えています。

 何処から頂上を目指すか

世界に出ようとする日本酒がワインと比較されるのは仕方ないことで、挑戦者が何処からアプローチしていくかの違いによって、全く違う多様な日本酒でワインと勝負することは間違いないのです。

そんな中、私には大変残念に思えることがあるのです。それは飲食に携わった私たちが勧めた時やテレビなどの紹介での試飲で、上質の日本酒を味見した日本人たちの多くが、「美味しい!ワインみたい!」とコメントすることです。

私が考える美味しい日本酒は決して「ワインみたい」ではありません。実際、ワインほどに甘みと酸がある日本酒は一般的には簡単に受け入れられるものではないはずです。先ほどのコメントには、ワインは美味しいもの、飲みやすいものという先入観からそんな言葉になったように思えてなりません。きっと、「ワインみたい」と褒めた人は、むしろワインには全く精通していないと白状してしまったようで、かなり寂しく感じます。

「今召し上がった日本酒は、ワインとは全く違う美味しさを持った日本酒ですよ。あなたは日本酒の美味しさをわかってくれたんですね。」と言ってあげられない自分も情けないのではありますが…
仁勇さんは新しくワインの世界に飛び込んだ実績から、次の展開がまた楽しみになります。
仁勇・鍋店株式会社
次回は千葉県産酒フェアの〆です。