しまねの地酒フェア2018in東京 その5

 豊の秋

島根の酒と言えば「豊の秋」が思い浮かぶほどに首都圏でも名前が通っている酒蔵です。しかもその純米酒は「豊の秋の雀」で通じるほどの雀の絵柄のラベルが定番で、最も見かける商品です。

もちろん雀も置いていて、当然試させてもらいました。しかし、その横にあったのがコレ。

豊の秋 純米ひやおろし
・ 原料米 :島根県産五百万石
・ 精米歩合:麹65%、掛70%
・ アルコール度:16~17度
・ 日本酒度:+4.5
・ 酸  度:1.7
・ 価  格:2,571円(税込)/1.8L
夏越しされた芳醇な香りとふっくらとした米の旨味。冷やまたは燗で召し上がれます。
このひやおろしにも雀の絵柄がありますので、やはり豊の秋は雀にこだわっていると思わせてください。そしてひやおろしの燗も勧めてくれていいるのが私にはありがたい限りで、たとえ生詰でも間違っていなかったとホッとしているところです。

 國暉

宍道湖の畔にある酒蔵で、ここではかなり個性的なお酒を紹介します。

國暉20年熟成純米吟醸古酒
・ 原料米 :島根県産神の舞100%
・ 精米歩合:55%
・ 日本酒度:+5
・ 価  格:10,800円(税込)/1.8L
神の舞純米吟醸を蔵内で20年熟成させました。「神の舞」独特ののキリッとしたフレームが保たれたまま、香ばしい風味と旨味の膨らみが出てきております。
こうなると細かく味を語るよりも20年の時を思いながら口に含むことが大切に思えます。古酒は人によって好き嫌いもあるでしょうし、馴染みがあるほどに飲んだ経験もほとんどの方がないはずですから、誰がどう説明しようと飲んでみなければわかりません。

ただ、20年の間、蔵の中で静かに眠っていた時間が生み出した味わいであることは確か。もちろん造り手とて、想像はできてもこの味になる保証もなく長い時間を待ち続けたのです。この貴重な一品はそんな酒です。

八塩折(やしおり)仕込み紫の位
・ アルコール度数:15~16%
・ 日本酒度:-60
・ 精米歩合:70%
・ 価  格:10,800円/375ml
ホームページには限定100本とありました。
テーブルの説明書きには:
「古事記」「日本書紀」に登場する伝説の酒「八塩折酒」の再現。仕込み水の代わりに酒を用い、酒で酒を仕込み、搾った酒を次の仕込みに用いい搾るという醸造を繰り返します。

8年かけて繰り返すこと十数回。全国唯一の製法。濃厚な甘みと心地よい酸味が調和したデザート向きの酒。

いわゆる貴醸酒の造り方ではありますが、これほど何度も繰り返して造ることはきっと他ではないのでしょう。

太古の昔、1300年余り前の仕込みを想像して再現したというのは相当なもの。
限定でもあり、おいそれとは買えない価格でもあり、こんな日でないと試させてもらえることはないに違いありません。まさに奇跡的な経験です。
チャンスが有れば皆さんもお試しください。

 李白

島根県松江市内にある李白酒造は、創業明治15年。酒中国の唐代の詩人「李白」に因んで命名されました。出雲神話に出てくる酒造りの伝統、地方の食文化を後世に継承し、世界で愛される芳醇でまろやかな一杯を醸しつづけています。
李白純米本みりん
・ 原材料:もち米、米焼酎、米麹(原材料はすべて国産)
      (米麹、米焼酎は自社製造)
・ アルコール分:14~15度
・ 価 格:1,620円(税込)/1.8L
以下、蔵元ホームページより引用:
料理はもちろん、そのまま飲んでもおいしい本味醂です。
通常の味醂の仕込み配合より麹を多く使用しているため、米由来のコクや旨味が強く、深い味わいです。料理に使えば、コクと旨味を存分に引き出し、いつもの料理をさらにおいしくしてくれます。
アイスクリームにかけたり、ロックで飲むのもおすすめです。

しまねの地酒フェアに参加するたびに紹介している李白の本みりん。

みりんをそのまま飲んで「美味しいんだなあ…」と初めて知ったのがこの李白さんの本みりんです。
毎年利用方法を教えてもらいながら、今年は初めて聞いた使い方があったので、すぐに試してみることにしました。
「純米酒に少しだけ入れるとまろやかになって、甘さはそれほど気にならない」

こう言われては飲んでみるしかありません。

別途に純米酒をいただき少量をブレンドすると、確かに全く違和感もなく、やや甘口で口当たりがよく深みを増した味わいになりました。
「なるほど、こういう飲み方もあるのか…」と感心至極。

これまで教えられたバニラアイスにトッピングすることも含めて、忘れないでしっかりと頭に留め置くことにします。

本みりんを試しに造り始めてから今ではかなりの出荷量に増えたそうです。正確な数字を私が覚えてないのが申し訳ないのですが、曖昧な記憶ではおそらく100倍以上。
これ以上になると人の問題も併せて設備も拡大しなければならず、当分は今のままの石数に押さえておく予定だとうかがいました。嬉しい悲鳴というところのようです。

李白さんでは特別純米やまたのおろちという銘柄が最も目に触れる銘柄ではないかと理解しています。それでも敢えて本みりんに絞ってみました。

私の友人の意見のように、島根の酒はやはり島根らしさがあり「島根の酒の味」というのは相応しい言い方のように思えてきました。
全体としては決して淡麗辛口ではなく、ありきたりの言葉では芳醇旨口と表現するとわかりやすいと思います。
長々と島根のお酒を紹介してきました。機会があれば正面から向き合ってみてください。好みに合う合わないは別にしても、必ず新しい発見があるはずです。