東京の飲食店の禁煙対応

 飲食大手が次々に禁煙対応発表

愛煙家にとっていよいよ肩身の狭い時代に入ってきた。
東京都の受動喫煙防止条例案が昨年6月に可決され、来年2020年4月以降は殆どの飲食店で喫煙席の設置さえ許されなくなった。
飲食を伴わない喫煙室を設けることは可能のため、その対応も各社で検討されたことだろう。

可決されて以降、全店禁煙でいち早く対応した居酒屋大手は「串カツ田中」くらいなもので、他の動向が待たれていた。「串カツ田中」では社会人のお客様が減って単価は下がったが、家族連れが増えて売上の低下を招くことはなかったと聞く。

先日尋ねた「サイゼリア」では3月○日をもって喫煙席を廃止しますという張り紙があった。そしてその直後、すかいらーくグループが全国の全店で全面禁煙にすると発表された。超大手のファミレスが喫煙専用室さえ設けないことで他にどのような影響が出てくるか私は注目したい。

 居酒屋の授業員こそが時代遅れ

1967年には80%を超える喫煙者がいた日本が、50年後の今では20%台の後半らしい。私が長く仕事をしていた居酒屋では今でも従業員の喫煙率が非常に高く、20%台などでは決してない。50%は超えていいるに違いない。
2年ほど前に仲間たちが集まった送別会では10人のうち9人が喫煙者だった。
昨年、現任の店長と話していた時、彼は店舗の禁煙化はどうなるのだろうと心配していた。
「もちろん店内は全て禁煙にせざるを得ないだろうね。」と私は伝えた。
彼の内心は自分が吸えなくなることに危機感の比重があるのかも知れないと感じてしまった。

これこそが居酒屋が早々に全席禁煙に踏み切れない本音ではないかとさえ思える。

私は元来、飲食店の喫煙可能範囲に区別や例外を作ってはならないという考えだ。店舗が大きかろうが小さかろうが、法律や条例で定める以上そういうルールは同じにして戦わなければ必ず歪が生まれると思っている。
更に喫煙席や喫煙室がある以上、そこでの作業や仕事を従業員が拒否できるわけがなく、これこそが重要な受動喫煙となり、輪をかけて人員募集に対しての応募を減少させる原因にもなっていると確信していた。
私には幾分不満はあるものの、都の定めた今回の条例は正しいと喜んでいるのだが、国としての毅然とした対応が一向に見えてこないことに情けなさを覚えてしまう。

 様子見の大手居酒屋

そもそも条例などで定められる前に「店内全席禁煙」を実施した大手居酒屋は、多少の時間はかかっても必ず売上は良くなるだろうと私は考えていた。しかし、そんなところはどこも現れないままに今日に至っている。

大手の居酒屋チェーンはライバルチェーンの対応の様子を伺いながら答えを出してくるに違いない。どこが先に勇気を出して手を挙げるかが見ものだと思う。
昔から、特に昭和の頃は居酒屋の店内の景色は紫煙に霞んでいたものだった。
酒にタバコはつきものだとか、目を煙そうにしながら文化論を語るのがカッコ良いとか、タバコを指に挟んだ手でグラスを持つ姿が絵になるとか、それぞれが酒と煙草の相性の良さを謳いたがった。

ところが、それに変わって似合う景色を居酒屋は持たないままに今はあるように思う。それこそ、居酒屋文化の大きな転換期にあることは間違いないだろう。
禁煙対策を含めて居酒屋の未来を語るような店が現れることに期待したい。
さて、居酒屋はどこへ向かっていこくことだろう。そんな眺めを私は少し楽しみたいと思っている。