暖簾の外の利き酒師のblog

2016年ふくしま美酒体験in渋谷 その3 榮川で〆

この記事の目次

 陣屋

有賀醸造合資会社

陣屋本醸造辛口 → 陣屋純米?

「本醸造辛口」は当日の出品リストには載っているのですが、ブースには並んでいませんでした。代わりに「陣屋純米」とあったのを見て、この試飲をさせてもらいました。2,200円ほどだと言っていた記憶があるものの、出品リストにもなく、蔵のホームページにもなく、蔵元のパンフにもなく、果たして実在するのか、自分の見間違いなのか疑っています。自分の頭の中では「幻の酒」?
ところがこれが良い味わいだった。バランスの取れた旨酒という感じで、燗にしてもまた良さそう。当日その場でメモを取れなかったのが残念です。
飲めなかった「陣屋本醸造辛口」は1.8L、1,890円。試してみたかったなあ。

 会津中将

鶴乃江酒造株式会社

会津中将 生純米原酒
限定酒です。
生純米原酒の肩書が物語る力強い酒ですね。生のフレッシュ感と酸度の1.9は、良い特徴になっています。美味しい氷でのオンザロックなら、夏にもピッタリの相性となりそうです。
「会津中将、おいしいねえ」と周りの人たちの絶賛の声が聞こえてきます。
やはり生原酒のインパクトは絶大なんですね。

 会津ほまれ

ほまれ酒造株式会社
純米麹長期熟成酒2005 「じゅんこめこうじ」と読みます。
蔵元のパンフから画像を引用です:
これはすごい11年熟成!値段を見てもすごい!数値を見てもすごい!
何とも、旨かったなあ~
麹米100%で造ったということがすごい。それを詳しく説明するとくどいのでやめておきますが、コストも手間もかかる米の旨みが凝縮した造りになります。
買ってまで飲もうとするのはちょっと厳しい特別高級酒。でも、たまには口にしてみたい、貴重な酒ですね。

 榮川(えいせん)

榮川酒造株式会社
こちらは以前の仕事から、本当に親しくさせていただいています。
榮川特別純米酒(一番左)

蔵元のコメント:

原料米は地元契約栽培「美山錦」を全量使用。すべて「会津」にこだわった特別純米酒は、ほのかな香りと柔らかな口あたりの中にも芯の通った深みのある旨み、綺麗な酸が見事に調和したバランスの良い仕上がりです。

榮川純米吟醸生貯蔵酒 (左から2番め)
夏の季節限定酒。アルコール度数も14度に抑えているのが夏向き。
720ml  1,317円(税込)
蔵元コメント:

夏向けにアルコール度数も若干軽めに、口の中に含むと華やかな香りと味わいが広がり、爽快な喉越しが楽しめます。

榮川純米吟醸生原酒

これは限定ではないながらも、ホームページにもどこにも公開されてないそうです。濃醇で華やかな香りがあり、じっくりと味わうにはもってこいですね。

先に紹介した特別純米酒は、いかにも榮川さんらしい造りで、落ち着いて安心して飲めます。温めの燗でも味は引き立ってくるし、そうした酒が自宅にあると嬉しいですね。

 誰の使命

私のように「大吟醸・純米大吟醸」にあまり興味を示さない者を相手にすると、蔵人たちにすれば張り合いがないというか、面白くないかもしれません。
しかし、どの蔵人に聞いても、そんな酒は「特別な時」にしか売れないと言います。それはそれで大切にしてもらえばいいと私は思っています。しかし同時に、蔵人たちはみんな普段飲みの酒、日常酒も大切にしています。
一番のポイントは自分たち日本酒好きのユーザーの姿勢だと思えてなりません。
特別な酒ばかりを追い求めることを少し控えて、ポケットマネーで気軽に飲める日本酒に、これまで以上の関心をもって接することではないでしょうかね。
本当に日本酒を大切に想うなら、日本酒の未来は日本酒ユーザーの意識にかかっているに違いありません。
試飲会に参加する度に、こんなことを常に考えてしまう。
お節介な酒好きの独り言です。
福島の皆様、ありがとうござました。
全国日本酒蔵元のまとめblog
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