東京農大の功績 醸造学科?

大根小田急線の経堂駅から歩いて15分ほのところに、東京農業大学があります。
野次馬的に言えば、大根を持って踊る姿が先に浮かんできますね。
しかしここは、日本でも数少ない醸造に関する学科あることで名を知られています。
  醸造学科
  醸造科学科
この違いが私にはわからないのですが、ここには酒蔵や醤油・味噌のメーカーのご子息が学ばれることが多いそうです。他に発酵学という学問があれば、それもこの分類のひとつなのかも知れません。しからば、先祖代々の漬物屋さんも仲間入りできますね。
冗談めかして言ってみても、その種の学科がある大学は本当に少ないそうですから、跡取りという意味では、ここに通う人が元々醸造関係の人である可能性が高いことが想像できます。

私が仕事をしていた会社の店舗を、この経堂に出店したときは東京農大生のアルバイトがたくさんいて、中にはその醸造学科の学生たちもいました。
実家は全く無縁ながら、日本酒の醸造元で仕事をしたい学生もいて、地酒が看板のうちの店は好都合だったケースもあったようです。
実際、この20年位は、酒蔵の跡取りとして、東京農大出身のご子息があとを継いで、新進気鋭の酒蔵として生まれ変わったとの評判を得ているところも数多くあります。敢えて名前を上げるのは控えますが。
昔ながらの徒弟制度のような「杜氏」が一番だとは言いませんし、こうして新旧の知識と技術が融合して、今の日本酒の醸造業界が動いているは事実です。
しかし、この20年の傾向として、香りの強い吟醸酒が良い酒、あるいは優れた酒だとして、もてはやされたことも、もう一つの事実。

「昔ながら」にしがみついていては、ジリ貧から衰退に至ると危惧して、変革したことは当然の改善策です。どんな理由をつけようが、所詮は流行に流されることを否定はしません。変わることがあって、初めて昔のことも再注目される。
ところが、ここ2~3年、流行りの傾向が変わってきたように思います。
様々な試飲会に行く度に感じています。

さてさて、これからの日本酒の行先を、若手と言われる人たちがどのように引っ張って行ってくれるのか、楽しみな日々が続きます。今年の秋の試飲会にも、やたら華やかな香りの酒は数を減らしているように思いました。
さあ、年寄りのファン(酒呑み)の挑戦です。