長野善光寺で黒枝豆

 雪になりそうな長野

訪ねたのは2019年11月の終わりだった。
前の仕事がいくらか時間押しになり、新幹線を乗り継いで着いた長野駅から宿に向かったのは20時を過ぎていた。
チェックインは善光寺近くの古びたホテルだが不満は何もないし、むしろ同じように古びた近くの商店街に溶け込んでいるような佇まいが私には意外に好感度だった。

同行の仕事仲間と空腹よりも酒への疼きを満たすために夕食と言うには遅めの時間に店を探そうと表へ出た。
雪でも降り出しそうな夜では話が早い。
ほとんど歩くことのない目の前の普通の居酒屋に決まった。
古めかしげな構えとおすすめのメニューを見て、それ以上の多くを考えずに飛び込んだ。

長野ではもうすでに秋を通り越して冬に近い空気が街の周りを包んでいる頃だったが、店の中にはほっこりとした暖かさがあった。
失礼ながら地元で絶大な支持を受けている店という感じでなかったが、普通に落ち着くところは地味ながらも長く営業を続けている店であるようだった。
席について壁を見るとビールのおすすめPOPがある。

 伝説のホップSOROCHI1984

「伝説のホップSOROCHI1984」 のPOPに導かれてここも即決。
先ずはここから攻めよう。

グラスに適度な霜を付けて運ばれてきたビールは透明感もありきれいだ。待ってましたと口に含むとホップの香りも豊かだった。
こんな寒さの際立つ長野の夜に出会ったビールの特別感はありがたい。北海道のナニナニという文句も目にしただけに北海道の地ビールか?などと勝手に想像していた。

しかし、その時には全く気づかなかったが、あとになってこれがサッポロビールの製品だとわかった。

サッポロSORACHI1984
https://www.sapporobeer.jp/product/beer/sorachi1984/

このビールは、世界を変えるかもしれない。
幾多の試練を乗り越え、人から人へ、情熱によって受け継がれてきた「伝説のホップ ソラチエース」。その伝説となったストーリーに触れ、「ソラチエース」がもたらす「凛として、香り立つ」味わいを体験することで日本のものづくりが、世界を驚かせた瞬間を実感して欲しい。

旅で寄った街と店ではないが、たとえ仕事が理由とは言ってもこうして出先で新しい出会いを持てるのは嬉しものだ。

 黒豆の枝豆

料理は何にしようと改めてもニューを眺める。
「黒枝豆」とあるではないか!
かねてから大豆の熟れ加減を見ながら夏の市場に出回る枝豆に、新しい価値観を作るために「黒豆の枝豆」を販売しようと仕事仲間と話していた。

一般的な枝豆はもちろん大豆の未熟性の状態のもので黒豆とは元から違う。
しかし、黒豆も大豆と同じような状態で茹で上げるとビールのお供としてはこれまたたまらない味わいになる。

黒豆は大豆と比較して熟成が幾分遅い。
とは言っても、この長野の11月終わりであれば時期も最後の最後だろう。
それがあまりに普通にこの店にはおすすめメニューとして並んでいる。
もちろん注文するしかない。

さあ、今日はこれだけでも面白い夜になった。
山形の茶豆というとひとつのブランドになっているが、少し熟成度を進めて出荷するのは山形に限ったことではなく、私のよく知っている業者さんでは秋田の製品で同じくの商品を扱っている。

確かに豆はやや茶色味を帯びてきて、香りが若い頃の大豆よりも熟れた感じというか、微妙な焦げ感のように深まりそれが魅力になる。

だが、黒豆は少し違う。
香りも違えば色も違う。
ここを楽しみながら、今夜はもう少し過ごそう。

さあ、黒枝豆がやってきた。

いいじゃないか、晩秋の夜はまだ長い…

今回訪ねたのは
※ 長野の居酒屋
  海せん山せん

美味しかったです。また近くを訪ねることがあればぜひもう一度伺いたいお店です。