JICA東京国際センターのランチ

夏の間のしばらく仕事で近くに行くことが重なった場所がある。
そこは渋谷区の一角で、周りはほぼ住宅街。
食事をするには最寄りの駅近くまで戻って店を探さなければならないような立地の割に、暗渠の上に公園が長く伸びていて思いの外に緑の濃い道が続く。
昼食に適当な場所が意外にもそんな中にあった。

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 JICA・東京国際センター

渋谷区といってもむしろ新宿駅の方が近い渋谷区で、付近には東京消防庁の「消防学校」もあって、渋谷区のスポーツセンターもある。
一般の多くの人が集まってくる場所ではないし、高級住宅地として名高い代々木上原駅からも徒歩圏内にあるような場所。
そこにJICA・東京国際センターがある。
表の掲示板には館内のレストランの案内があって、気軽に利用できそうだ。

その営業時間はランチ時に限られてはいるが、一般の人も受付で簡単な手続きをするだけで入館することができた。
私のように普段では訪問することもない者にとってはまたとない好機。

そこで守衛さんに促されてアルコール消毒と体温測定を済ませる。
1階のロビーは天井も高く広々として世界の民芸品や衣装を展示したコーナーもあって、このあたりから国際色が見えてくる。静かで落ち着いた空気が全体に充満していて緊張はほぐれた。
レストランは奥の階段を降りた地下にある。
さあ、行ってみよう。

 グアテマラ風鶏肉のトマト煮

グアテマラ風鶏肉のトマトソース煮

レストランの入口には日替わりの定食がA・B・Cと3種類のサンプル並んでいる。
うどんなどのメニューもあるようだが、折角だからここならではと思えるものを選択する。
「グアテマラ風鶏肉のトマト煮」、良いじゃないか。しかも610円(税込)だ。
私の鼻先を中米の風がくすぐって行った。

サンプルの横にあるAの札を持って店内に入る。
会計はレジで前払い。
店内は非常に明るくてかなり広い。地下とは言っても建物の裏は窪地になっていて、大きな窓の外は緑が眩しくらいだ。
椅子を間引かず通常の設置であれば150名は入れるだろう。

調理場カウンターでやたら大盤のトレーに乗ったセットをすぐに受け取る。
サービスカウンターにはドレッシングだけでなく、各種スパイス(ガラムマサラまで)を置いているのがまさにJICAらしいと感心する。

ライスはインディカ米のサフランライス、鶏肉とトマトはよく合うしスパイシーではあっても辛くない。スープはキノコスープで旨味はたっぷりだけど独特の味付け。これも先ほどのカウンターのスパイスを好みで加えると良さそう。

なんと行っても感心するのが「HALAL」仕様ということだ。
全部のメニューは難しくても、こうして世界の文化に対応している。
流石にJICA。

「世界のビールなどを一緒に楽しめたら良いのに」とは思ったが、残念ながら時節柄も無理。
本当にごちそうさまでした。
きっと近くに来ればまた寄ることになるだろうなぁ…