受動喫煙の成れの果て?

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 肺炎の原因は?

2019年の暮れ近くになって私は急な高熱で掛かりつけのクリニックで受診した結果「肺炎と胸膜炎」と診断され、結局は入院するはめになった。
幸いその翌年2020年から大流行した新型コロナによるものではなく、息苦しさも咳の症状も全くないため熱さえ下がれば辛さはすぐに解消された。
入院から3日めには上げ膳据え膳付きの静かな別荘にいるような心地を味わうことになった。

お陰で10日ほどで退院できたのだが、入院前の病院での検査の際にきかれたことを紹介しておく。
「たばこは吸ってないんですよね?」
「はい」
「以前に吸っていて止めたわけでもありませんか?」
「まったく」
「レントゲンの画像を見る限りはずっとタバコを吸っていた人の肺ですね」

学生の頃も含めるとかれこれ40年以上、私はタバコの煙の中にいた。
飲食の仕事を続けていれば、自分は吸わなくとも若い頃からそんなことを気にしたこともなかった。

 受動喫煙

受動喫煙による煙草の害が重要視されるようになって、東京オリンピックをきっかけにしたのが本音だろうが、東京では2020年4月1日から特に公共の場での喫煙が厳しく規制される条例が施行された。
それに合わせた駆け込み需要が多かったようで、社内の喫煙場所の整備やその資材調達の案件が私の取引先からもドタバタと持ち込まれた。

現在の日本の成人喫煙率は17%ほどだということで、随分と喫煙者は少なくなっているのは確かだ。

日本たばこの調査
 1978年 男 74.7% 女 16.2% 
 2018年 男 27.8% 女  8.7% 
厚生労働省定期調査「国民健康・栄養調査」2020年1月発表(2018年分における概要報告書)
 2018年 男 29.0% 女  8.1% 全体 17.8%
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000615383.pdf
公表されている数字でも日本での喫煙率は随分下がってきているが、世界的にはまだまだ高いそうだ。

飲食店のアルバイト従業員が人手不足で苦しいという時、「店内全て禁煙」とした方がむしろ希望者が増えるのではないかと考えたことがある。特に未成年となれば喫煙OKの店で子供を仕事させたいと思う親御さんなどいないのではないかとも考えられた。

 受動喫煙の成れの果て

私の肺の画像を見て医師が「喫煙者」と変わらないと判断したのは、まさに「受動喫煙」の成れの果てと判断するのが正しいのではないか!
飲食の現役だった頃、私は仲間たちに冗談でよく話していた。
「自分が受動喫煙で死んだらみんなお前らの責任だからな。どうせもう手遅れなんで今更言っても仕方ないけど」
何しろ飲食の従業員の喫煙率は現在でもゆうに70%を超えているように思うのだ。

しかし、どうやらこれは冗談では通らないようだ。
私は身を持って証明してしまった。
無事に退院はできたものの長い間タバコの煙の中で生活していたことと関係ないとは言えなそうだ。

 新しいスタイルが問われる

お客様も、そして従業員もその健康を守るという意味ではやはり「飲食店は全て禁煙」にすべきだろう。
今年、2020年4月までぐずぐずと全席禁煙に踏み切れなかった飲食店は多いだろうが、そこまで引きずらなければならないのは、もしかして「喫煙者のお客様のため」という言葉を隠れ蓑にして、従業員の自分たちが吸えなくなるという思いのほうが強かったのではないかと私は想像している。

新型コロナの影響で4月以降、チェーン店の居酒屋は自粛休業している店も多い。既に覚悟は決めていることだろうが自粛からの解除後には「禁煙」という喫煙客離れとの戦いも待っている。

コメント

  1. オブナイ より:

    新型のアレは、喫煙者にきつい病のようです。ほとんどトバッチリというかもらい事故みたいな話ですが、くれぐれもご自愛ください。

  2. オブナイ より:

    新型のアレは、喫煙者にきつい病のようです。くれぐれもご自愛ください。