恐るべき宇都宮餃子・正嗣(まさし)

この記事の目次

 念願の宇都宮餃子

かねてから評判は聞いていた宇都宮餃子。
2019年の11月には宇都宮まで行ったものの寄ってみるチャンスはなかった。
幸いにも12月の上旬に福島まで行くことになった帰り道、念願の宇都宮餃子の店を訪ねることができた。
とは言ってもその店を選んだのは偶然で、友人と2人で車を走らせながら「せっかくここまで来たらどこかで食べようよ」という思いでいたところに目について飛び込んだ店だった。

平日昼の12時を少し過ぎた頃、店内では3人ほどが立って待っていた。
せいぜい10坪ほどの広さだろうか、カウンターのみで22席。満席だ。
スタッフは4人で回しているためこの混み方は普通のことと察した。

 餃子の正嗣 駒生店

餃子の正嗣(まさし) 駒生店
http://masakoma.sakura.ne.jp/
営業時間 11:00~19:30
まさし駒生店のメニュー(税込)は

  • 焼き餃子1人前 (6個)250円
  • 水餃子 1人前 (6個)250円
  • ライス  120円(大盛り+100円)
  • 餃子ライス (焼餃子2人前+ライス・おしんこ)620円
  • 焼き水ライス (焼き餃子・水餃子各1人前+ライス・おしんこ)620円
  • 冷凍生餃子1人前 (6個)220円 持ち帰り用

金額は2019年12月の私の記憶なので、もし違っていたらご勘弁願いたい。

私たちの順番はすぐにやってきて席に案内してくれた。
おそらく5分も待っていなかっただろう。
並んでいる時に「決めておいてくださいね」と言われてはいたが、何のことか詳しくはわからなかった。
「ヤキ2のスイ1」というように、他の人の注文を聞いていて少しわかったのは、ほとんどの人が餃子ライスに水餃子を1人前プラスしている。
要は餃子は一人で3人前が当たり前のようだ。

水餃子は大きな寸胴で茹でて丼に盛り付けてくれる。
その際に少しだけ茹で汁を入れる。カウンターに貼ってある注意書きにはレンゲに醤油等を一度入れて加減して加え好きな味に調整して欲しいというようなことを書いてあった。

私たちが待っている間にも持ち帰りの冷凍餃子が大量に売れていた。
一人で20人前以上入った袋を手に下げて嬉しそうに店を後にしている人もいる。これはすごい。

 恐るべき「正嗣・駒生店」

後になって知ったことだが、この店は有名店だった。
正嗣のチェーンでもこの駒生店だけがライスもおいているそうだ。
さらにひと目で地元の人に愛さされていることがわかる。私たちのような県外からの客をターゲットにはしていない。
それにしてもこの店は恐ろしい。
何しろメニューは先に書いただけ。焼きたての焼き餃子の持ち帰るもできるようだが、これだけ。
しかも焼きも水も同じ餃子だ。
ライスがあるとは言え餃子のみの一本勝負。これはすごい。
私の理想とするメニュー構成ではないか!
私が最も優秀だと考えている飲食店はメニュー1種類のみの一本勝負。
なんてことだ!
ビールと一緒にと思う人は持ち帰って自宅でどうぞ、ということ。

これだけのお客様が集まり、並んでまで待っているのは美味しいからだけではないことがすぐに分かった。
一人で餃子の調理を受け持っている店長(オーナー?)の目配り気配りが素晴らしい。
持ち帰りの冷凍餃子の入った袋をうっかり床に落としたお客様に気づくと、
「全部取り替えてあげて!」とスタッフにすぐに指示した。

正嗣の餃子は味に際立った個性があるわけではない。しかし、毎日でも決して飽きることのないその美味しさは店全体で作り上げている。
一種類の餃子単体でのみの勝負を挑む正嗣・駒生店。
二度目を訪ねる機会はないかも知れないが、もしも誰かに「宇都宮餃子でおすすめの店は?」と聞かれたら躊躇なくここを勧めるだろう。
たとえ他の店を知らなくてもお勧めであることは間違いない。

※ 駒生店は同じチェーンでも直営ではなく独立店のよう。
冷凍餃子の通販もやっているし業績も素晴らしいはずだ。私たちが行ったのは平日だったが、休日となれば混み方は凄まじいことだろう。
老婆心ながら細かい数字を予想しながら○△×□と計算してみた。1日の坪当たり売上は15,000円を遥かに超えているだろうと勝手に想像している。
11:00~19:00の営業時間でこれは奇跡に近い。