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常に揺れ動く居酒屋
さまざまなシーンで売上の減少に悩む時、居酒屋の考え方は概ねパターンが決まっています。
A: 最近どうしたんだろうなあ。客数は?
B: そうですね、1日平均で3人減ってます。
C: 今月、天気が悪かったのが理由ですかね?
A: どこかに新しい店ができたか?
B: 特にはないですけど、◯◯屋が18時迄ドリンク半額を始めました。
C: そう言えば△△屋はハイボール100円でやってますね。
こんなミーティングが多々ありそうです。
しかし、本来こんなミーティングが通用するのはお客様の殆どが一見さんの店でしかないはずで、常連さんが中心のお店では見当違いな内容だと私は思います。
そして状況が改善しないと、チェーン店なら費用をかけて集客のイベントと宣伝を考えます。さらに深刻さが増してくると、店長の交代という案も出てきます。
それでもどうにもならなくなると、業態(屋号)変更ということにもなります。
店の周辺環境の明らかな変化がない限り、いきなり外的要因で客数が減ることはありません。
客数が減る前に、売上の減少は客単価の微妙な低下から始まっているはずです。
客単価のいきなりのアップも、後の売上減少につながり兼ねませんので注意が必要です。
いろいろと考えても「客数減少」で売上低下になることがほとんどです。
そして、「客数減少」の理由が「不満」であることも間違いありません。
さらに、「不満」に至る最大の判断基準が「高い」であることも確かでしょう。
一番の原因を知る
常連さんが「高い」と感じるようになった原因を知ることこそが解決の糸口になるはずなので、メニューの値上げをした事実がない限り、問題は深刻です。
そこで私たちは見当外れの間違いを犯してしまいます。
他の店と比べようとするのです。比べるべきは2ヶ月前の自店の「レベル」なのに、他所と比べてどうするの?ということには気づきにくいのです。
最も分かりやすいのは、スタッフに欠員ができて補充できてないケースです。ところが、そんな分かりやすいことではないのがほとんどですから、ここで悩むことになります。結局、どのレベルが低下しているかがわからないまま、値段を下げることで「高い」を解消しようという短絡的な考えに至るのです。
料理のレベルを上げるには、原価も上げざるをえないかもしれません。調理のスピードが遅いなら、オペレーションの見直しが大事でしょうし、増員も必要かもしれません。
接客担当は、以前には出来ていて現在は出来てないことを探り出さねばなりません。全てが以前通りと思うなら、新しいサービスオプションを加えることを考えます。例を言えば、これまでオシボリを途中で1回替えていたのなら、2回にするとかの対応が必要です。
値段を下げて「安く」するのではなく、「安く」感じてもらうために、レベルを上げて付加価値を上げることを優先すべきだとは、意外に思い至らない場合が多いのが事実です。
自分お店はどういうお店なのか?
これまでお客様が求めていた自店の価値は何なのか?
いちばん大事なここに迷いがあっては進んでいけません。
値段を下げて勝負するのか。
人の手を加えて勝負するのか。
居酒屋の価値は二極化していきそうです。