納豆は天才 万能選手が故にその相棒とは…

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 納豆は主役?

納豆はなかなか主役になれません。
納豆の様々な料理を売りにしていた居酒屋が原宿にありましたが、やはりそれを目当てに通う人は多くなかったと思います。
そして納豆はその個性が故に、非常に厄介な食材です。
納豆好きの人であっても、どこかのお店で隣の人が納豆を食べていて、自分が食べてない時は「臭い」と思うものです。
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私も店に立っている時は、納豆料理を上げ下げする際には「臭うなあ」と思ったものです。

その点で?「くさや」は納豆以上の存在感をテーブルで発揮してくれます。いやいや「くさや」の場合はテーブルに限りません。

小さな路地にある居酒屋の前を通ると、街の一角が「くさや」のにおいで満たされていることがあります。店でくさやを焼いているのは明らかで、近所迷惑!と抗議が来れば、素直に謝るしかなさそうです。

美味しいのはわかっているけど、他人のものだったら、臭いだけです。まず、食欲には繋がりにくいことでしょう。

ある日、神田の居酒屋で隣のテーブルに「くさや」が運ばれてきた時には、いくら好きな私でも迷惑に思えてなりませんでした。
だからつい、自分も「くさや」を注文するはめになってしまいます。本当に迷惑です。
いっとき東南アジアの方の納豆と似た食材「テンペ」が注目されたことがありました。
納豆のようには臭いがなく、 栄養価は変わらないとあって、私などは流行るのではないかと不覚にも憶測しました。ところが全く一過性の人気で、瞬く間に見なくなりました。
もしかしたら、日本人にとっては、あの「匂い」こそが納豆なのかもしれません。

 納豆料理とお酒

今ここで細かい料理を語るつもりはありません。
納豆料理を食べる側ではなく、作る側から言うと、ある意味何でもありでした。そのままでも、焼いても揚げても、炒めても、そして蒸しても。
においの強弱こそあれ、納豆嫌いでない限りはたいていに美味しく食べられます。
ところが、相手が酒となると、勝手が違って自分から合わせてくれることに期待してはいけません。決して相性が悪いとは思いませんし、一緒に美味しく食べられると思います。でも、パートナーとしてはどうでしょう。

どんな食材と合わせても、料理としてはどのようにも対応して、きちんとした料理になってくれるものの、お酒の肴になるためには相性良く変化してくれないように思えてなりません。

「酒と肴」とは、究極としてお互いに酒と肴が補完し合うものと考えると、若干違うように感じます。
どうやら私の感覚として、納豆は「ご飯」との相性のためにあるようで、やはりそれが一番のパートナーとして生きてくる。これこそが補完し合うにピッタリだと感じてしまいます。

いくら日本酒が米から出来ているとはいえ、その懐の広さは「ご飯」には敵わないということでしょう。

まあしかし、そんな難しく言うまでもなく、自分が美味しいと思う食べ方をすればいいだけなのですが、つい細かい相性が気になってしまう、私の相棒「ボクの悪い癖」です。