売りたい気持ちが強いほど売れない

ジャパネットたかたさん

お店であっても、外回りの営業であっても、「売る」ことが仕事だと言ってしまえば、やはりそれ以外ではありません。

よく聞く話で、「こんなもの売れる訳ないだろ!」と営業担当者が言えば、
作った方は「売る奴がダメだから売れないんだ!」と返す。
こんな水掛け論がまかり通るのが常ですね。

作る方も、売る方も、「売りたい、売りたい」と思い、焦り、堂々巡りになってしまうことがあります。

ここで解決策を今更語るつもりはありませんし、コツを披露するほどの自信もありません。
ただ、私の経験で理解したのは、「お客様が必要としない(欲しいと思わない)ものは売れない」ということです。
「売りたい気持ちが先に立つほど売れない」ということです。
「売りたい」を優先すると、売りたい方の自分都合になる。
ジャパネットたかたさんは通販で有名ですね。あの名物になった社長さんは、禅定してご子息に後を任せたと聞きました。
以前に教えてもらった話があります。

ジャパネットさんは、似た商品を揃えるのではなく、これと決めた1つに力を入れて売るそうです。ですから、「売りたい」商品について、他の商品と比較したり、どれだけ品質が良いかを声高に語ることはほとんどないようです。

手法として、その商品を手に入れたら、次にどんな使い方や楽しみがあるかを伝えて、新しく手に入る夢を売ると聞きました。

利用しているお客様の年代が、若い人たちよりも、年配の人たちが多いこともその理由のようです。欲しい気持ちに導くことで買ってもらおうということですね。

居酒屋の売りたいもの

居酒屋も、会社や上司から「売れ」と言われるものがあります。
店の看板料理や、季節のおすすめ料理や、単価の高い刺身の盛合せや、自慢の地酒、そして「宴会」です。
宴会は、いくら売ろうと思っても簡単に売れるものではありません。しかも、宴会は日常的なものではなく、お客様にとっても非日常の特別なもの。
ところが店にとっては、その日の売上を確定させる特別なものです。そんな需要など、毎日転がっているわけがありません。
テーブル席私は常日頃、宴会はもちろん有り難いことではあっても、席予約をもらえることの方が大切だと考えてきました。非日常に頼るのではなく、お客様の日常になること。
飲食店は、席を空けたままでは商売が成り立たないのです。
ですから「料理、地酒を売ろう」が一番になると、大きな間違いを犯し兼ねません。

居酒屋が売るべきものは「席」です。

「席を売る」ために何をするかを考えた方が、やるべきことが見える。
「席を売る」ために、料理やお酒があり、「従業員が要る」。
「居る」ではなく「要る」です。
従って「必要な従業員」とはどんな人かが問われるのです。
物販店であれ、飲食店であれ、本質(売るべきもの)の見極めこそが、売ることにつながるように思います。