モンゴルの草原の風を感じる 湯島の夜

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 湯島天神裏階段

とある夜、湯島へ行きました。
湯島とモンゴルに特別は縁はないはずです。

早めに着いたもので、開店前の目的のモンゴル料理店の場所を確認すると、ふらり散歩と決め込んで周りを歩いてみることにしました。

メンバーとの約束までたっぷり1時間、余裕です。
湯島は何度か寄ったことはあります。
しかし、仕事の途中などで通り過ぎるだけ。ゆっくりと歩いたことはありませんでした。さすがに古い街だけあって、古くから営業いしているであろうお店もたくさん目にしました。

或る角に来ると、路地奥に急で長い階段が見えました。その通りには「湯島白梅商店会」の看板が下がり、夕暮れ前ということもあって、ぼんやりと点った街灯があります。
どうやら上には神社がありそうな雰囲気です。位置関係から湯島天神かな、と考えながら登ってみることにしました。
やはり登った先は「湯島天神」でした。境内の横に出てきたようです。

湯島天神001

 モンゴル料理の店 「パブゆみ」

この店はモンゴルの方が営業しているこじんまりとしたお店ですが、パブというだけあって、いかにもそんな雰囲気です。
都内で注意していると、案外にモンゴル料理のお店が数あることに気づきます。しかし、私には初めてのモンゴル料理経験で、この日は3人で訪れたのでした。

最初はビールで乾杯です。
次は「Chinggis Vodka(チンギスウォッカ)」。
これはモンゴルでは一番人気のお酒だそうです。
意外に柔らかく口当たりの良い飲み心地で、ついつい進んでしまうのが危険な予感を醸し出しています。

料理はというと、お任せしていたためメニューを見ることもなく、出されたものをいただいたので、名称がよくわかっていません。

小籠包の親玉のような肉まんは、程よい味付けをしてあり、他の調味料はつけず、そのまま食べる のです。これが実にいい。スパイス名がこれまたわからなくて、上手く表現できないのが悔しいところ。一人に5個と言うのは、多すぎだと思いますが… これはどうやら「ボーズ」という料理のようです。

「ツォイバン」というらしい料理は、きしめんのような平打ち麺を肉と野菜と一緒に炒めた、焼きうどんのような、焼きそばのような、塩と軽めのスパイス(これも正確に表現できない)で味付けしてあり、食べ飽きない。そう、食べ飽きないのはいいけれど、これも一人当たりに通常の1人前はボリュームありすぎかと…

いずれにしてもモンゴルという土地柄、肉料理が中心なのは頷けますし、スパイスを工夫するのも当然のことでしょう。
そうしている内に他のお客さんが6名ほどでやって来ました。
みんなモンゴルから来ている留学生の若者たちだそうです。
彼らはすぐにカラオケを始めました。
何と、日本の歌を日本語で上手に歌いあげるのには、感心と感動です。

料理も酒も素朴な味です。しかも日本人にも合うと思います。このお店はモンゴルのお客さんが多いため、日本人に向くようにはアレンジしてないと言っていましたので、お国のそのままを味わえたということです。

ママさんが気さくな方で、私たちも本当に楽しませてもらい、3時間ほどもいてしまいました。料理と酒と雰囲気が、まるでモンゴルの草原で風に吹かれているようで、壮大な妄想を勝手に広げた夜でした。