2018上諏訪街道春の呑みあるき 参

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 株式会社舞姫

諏訪五蔵を中心にした上諏訪のイベント「春の呑みあるき」で舞姫さんにも寄られせてもらったのに、記事にすべき情報を持ち帰りませんでした。
そこで、失礼ながら蔵元のホームページからの引用で紹介します。
舞姫message(50)と名付けられたページに興味深い内容があります。
なぜ国酒と云われる日本酒が、3分の1の消費量にまで減少してしまったのでしょうか。
健康志向、高齢化が大きな要因ではありますが、価格第一で、いかに安い酒を作るか(これはこれで悪いことではないと思います)が結局、個性の無い、どの酒を飲んでも同じような味わいになってしまい、飽きられてしまったのではないでしょうか。
ここ数年来「米の旨味を生かす」酒造り、所謂、純米酒、純米吟醸酒という味を楽しむ「酒質」が好まれ伸長しています。
どこの蔵元もここにある「何故?」には正解の確証を得られず、試行錯誤の末に様々な努力で対応してきています。偶にヒット商品を産み売れるお酒を造り出したとしても、ブームであるなら飽きられないように姉妹品で延命狙い。これも悪いとは言いませんが、本質からの解決には結びつかないことが多いでしょう。
舞姫でも、酒造好適米(美山錦・雄町・山田錦)に拘りその米の旨さを追求してきましたし、これからもお客様の「旨い」の一言を張り合いに、正直な酒造りに取り組んで参りたいと思います。
と、方針を明言してくれています。
私が長く携わていた飲食店(居酒屋)でも、自分たちのどこに問題があって数字が延びないかを考える時に間違えやすいのは、自分たちの都合で検討しようとすることです。問題点を一番知っているのは、普段利用してくれているお客様だということに目を向けようとせずに考えます。
日本酒を飲まない、買わない理由はお客様が正しく持っているのです。酒販店は日本酒が売れないなら、現在売れている他のものにもっと力を入れて売ろうとするのですから、案外に酒販店の言い分は参考になりにくいかも知れません。
舞姫さんにも益々業績を伸ばして欲しいと祈りつつのご紹介でした。

 真澄・宮坂醸造株式会社

諏訪の「真澄」と言えば日本酒ファンなら知らない人はいない銘柄です。更にそれだけでなく、季節限定酒も含め日本酒の楽しみを幅広く見せてくれ、しかも安心感のあるお酒を常に世に出してくれています。

この日もそれに違わず、ラインナップの見事さの中で、特に気を引いたお酒を紹介します。

銀撰真澄樽酒
テーブに並んだお酒の中で右端にドーンと構える樽酒。貼っているラベルを見れば「銀撰真澄」。
ホームページによると:
信州の酒通に愛され続けるベストセラー。
真澄ブランドの名声を創り上げて来た一本です。
すっきりした喉越しの飲みやすい日常酒。
ずっと真澄の「二級酒」として販売。地元で愛されてきた真澄の代表銘柄です。-中略-(3杜氏談)諏訪・富士見の両蔵で、ごく普通に造っています。最近ブレがなくなって安定してきていると思う。この酒独特の美味しさがある。好きな酒です。
原材料:   米・米こうじ・醸造アルコール
米の品種:  長野県産 美山錦、他
精米歩合:  68%(全て自社で精米)
酵母:    7号系酵母
アルコール分:15度
日本酒度:  ±0前後
酸度:    1.0前後
飲み方:   ◎冷酒・◎常温・◎燗酒
これは糖類無添加ではあっても本醸造ではなく、地元で飲んでもらうために守ってきた品質であることがわかります。大切にしているんだなあ…ということが伝わってきます。これを樽に詰めて樽香を乗せ、イベントの日のテーブルに普通に置いているのには感心しました。度々飲めるものでもなし。真澄さんでも貴重な出品だったと私は認識しています。だから当然で、その前に居座っていました。樽香はちょうど良く、くどすぎず、スウッと喉を通っていく味わいはたまりません。

実はこの樽酒よりも、もっと気になって仕方なかったお酒がもうひとつあります。

辛口ゴールド 真澄
2016年11月中旬よりラベルをリニューアル。
あっさりとした辛口に仕上げました。
是非お燗でお試しください。呑みあきとは無縁です。
辛口ながら優しい口当たり、軽快な喉越し。
最近美味しくなったとよく言われます。社内でファンが多く、会社の宴会でもお燗酒はこれです。
原材料:   米・米こうじ・醸造アルコール
米の品種:  長野県産 美山錦、他
精米歩合:  68%(全て自社で精米)
酵母:    7号系酵母
アルコール分:15度
日本酒度:  +3前後
酸度:    1.4前後
飲み方:   ◎冷酒・◎常温・◎燗酒

燗を付けながら試飲させてくれています。しかもこれが本当に旨い。燗をして飲むには最適の一品で、本当に滲みてきます。数字だけは見えてきませんが、バランスの良さは飲めばわかります。かねてから私の価値の中心にいるのは燗酒。日本酒の味わい深さは燗酒で分かります。

ここでもじっくりと楽しませてくれたのは間違いありません。樽酒であったり、燗酒であったり、楽しいですね。
この「MIYASAKA」ブランドでシリーズ化している商品があり、当日はこれも押しのようでした。
2016年、発見70周年を期して、もう一度私たちのルーツに立ち還ろうと挑んだのが新生「MIYASAKA」シリーズです。

こうして真澄は進化し続けています。その先にあるものをどんな目で、どんな思いで見ていることでしょう。

古い諏訪の町で新しい流れは確かに生まれています。今後に期待することも私の使命の一つと、勝手に決め込んだ上諏訪呑みあるきでした。