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聖泉(せいせん)と柏自慢
聖泉・純米柏自慢秋あがり
千葉県産のお米で造りたいという思いからこの商品を造ったのだろうと想像すると、素敵な試みではないですか?
聖泉純米吟醸秋あがり
香りは控えめで料理との相性を考慮した。口に含んだ印象は、やや辛めで厚めのコクを感じる。冷やして飲むより、温めて飲む方が素敵な感じ(中略)原料米 :千葉県産ふさこがね、総の舞精米歩合 :60%日本酒度 :+1酸 度 :1.6アルコール度:15度売価 :1,300円(税込)720ml

ここにも燗して飲むことの提案があります。単純に言えば熟成させて旨味がのった酒は冷やしたりするよりも温度をやや上げて、風味や酸も立たせて丸めたほうが生きると言うことなのかも知れません。
千葉の房総は海に囲まれていることから海の国というふうに捉えがちですが、実際の房総は山の中。海岸線に迫る山並みをくぐり抜けてたどり着くと考えると、このラベルの雰囲気はぴったりに思えてきます。
2018年Kura Masterプラチナ賞・仁勇
仁勇純米酒NEW
いわゆるフランス人の好む味わいの日本酒と考えればいいはずです。
仁勇純米酒NEW
私にはどうにも味の印象がやや薄く、お米らしさが弱い造りに思えたのは仕方ないことなのでしょうか。これには先に熟成感の強い「秋あがり」や「ひやおろし」を中心に試飲しすぎたことが理由かも知れません。値段はかなりお得感があったにもかかわらず、この日は他の「ひやおろし」にターゲットを絞ったために買い求めるには至りませんでした。しかしこれは悪くいうつもりでないことを以下でご理解ください。
何処から頂上を目指すか
世界に出ようとする日本酒がワインと比較されるのは仕方ないことで、挑戦者が何処からアプローチしていくかの違いによって、全く違う多様な日本酒でワインと勝負することは間違いないのです。
そんな中、私には大変残念に思えることがあるのです。それは飲食に携わった私たちが勧めた時やテレビなどの紹介での試飲で、上質の日本酒を味見した日本人たちの多くが、「美味しい!ワインみたい!」とコメントすることです。
私が考える美味しい日本酒は決して「ワインみたい」ではありません。実際、ワインほどに甘みと酸がある日本酒は一般的には簡単に受け入れられるものではないはずです。先ほどのコメントには、ワインは美味しいもの、飲みやすいものという先入観からそんな言葉になったように思えてなりません。きっと、「ワインみたい」と褒めた人は、むしろワインには全く精通していないと白状してしまったようで、かなり寂しく感じます。