下高井戸で地酒が看板の酒屋さん

 閉店のお知らせ

去年の秋は「ひやおろし」を楽しんで選んだ酒屋さん。
新宿から京王線で10分ほどの下高井戸駅の近くの酒屋さんで、ずっと以前に「越乃寒梅一級」を見つけて買ったところです。

ところが、今年の4月に訪ねた時にはシャッターが降りていて、店の前に張り紙が。すでに営業をやめていました。またこうして酒屋さんの銘店が一軒姿を消しました。寂しいです。

下高井戸の駅前には昔ながらの小さな市場のような一角があり、電車賃を使ってでも行きたい魚屋さんも元気に営業しています。
先ほどの酒屋さんで酒を選んだあとに、この魚屋さんで一緒に味わいたい魚を探すのが、お決まりの楽しみ方でした。
日本酒の品揃えが豊富で、見ているだけでも時間が過ぎてしまうような酒屋さんは、本当に少なくなりました。それどころか、酒屋さんを探すだけでも大変です。

ビールや手軽なワインを求めるなら、むしろスーパーで手に入れるのが一番便利で、しかも安い。誰しも、この便利さを手放すことはもはや無理でしょう。

「駅前のスーパー」という感覚そのものも、大都市の中心にいる人たちにあるだけのことで、少し郊外になれば、大駐車場のある大型店でないと不便で仕方なくなっているのかも知れません。

 小は大に勝てない?

下高井戸の魚屋下高井戸市場
スーパーで並んでいるビールや発泡酒などは利益が殆ど出ない価格だそうですから、いち酒屋さんがそこで勝負に行けるわけがない。

日本酒は直射日光から避けて棚に並べたところで、美味しく飲める期間は3ヶ月がいいところ。本来なら冷蔵庫で管理したい。日本酒の需要が少ない今、こっちで勝負するのは、賭けに等しい。並べるだけでは売れません。酒屋さん泣かせの時代になってしまいました。

スーパーの魚売り場でさえが、目の前で魚をおろして、皮まで引いてくれるのです。地元だけでなく沿線の人たちからも人気のある下高井戸の魚屋さんも、果たしていつまで頑張ってくれるでしょう。
小が大に勝つには、小でなければできないことを持っているかどうかです。
街の中での個の商売が何につけても苦しい今、小が大の中で生き残る道を探るのは至難の業です。
手をこまねいていて、私が自分の好みを小さな店に押し付けるだけでは何も解決しません。私の「酒屋と魚屋巡り」を守るためにはどうすれば良いのでしょうか?
常にこれを課題にして街歩きをするのですが、答えが見つかるのはいつになることか、気が気でない街ばかりになりました。