人が集まるにはそれだけの理由がある。
そこは沖縄料理の店、SABANI(サバニ)。
杉並区和泉1丁目にある沖縄タウンのお店のひとつ。
京王線の代田橋駅で降りれば、徒歩3分の場所。
20時頃に訪ねる時は、たいがい満席状態のため、予約をしておいた方が賢明だろう。
常に笑顔で迎えてくれる。
10坪ほどの広さの小型店だが、スタッフは常に3~4人揃えている。
店にも料理にも、隅々まで沖縄と手作りにこだわった特徴がある。
紙オシボリは箸と一緒にテーブル隅に立てているだけだが、それで十分だ。
料理やドリンクなどの売価は、東京の沖縄料理店の中では安い方だろう。
お通しも「沖縄料理」の中からの抜粋で、提供の度に内容を説明してくれる。
食器も沖縄の焼き物と琉球ガラス。
どのスタッフも何十種類とある泡盛を含め、全ての商品説明をキチンとできる。
知識も豊富で、奢ることなく必要に応じたアドバイスをしてくれる。
下げ物にも新しい取り皿にもよく気がつく。
気軽に世間話なども付き合ってくれる。
会計時は玩具の小さな1万円札に金額を書いて手渡してくれる。
遊び心がある。
帰る時は必ずスタッフが少し遅れて外まで見送りに出て、チンスコウをお土産として手渡してくれる。
特別なことはほとんどない。
当たり前より少し上のレベルのことを確実に積み重ね、しかも怠ることなく継続している。
ところが、これができない。
だからこそ、差別化の本質はそこにある。
大将の姿勢と妥協ない経営方針が徹底されたからこそ、今に至る。
簡単にできると思うなら、この店の真似をしてみるが良い。
この店の真似を100%できたなら、間違いなく繁盛店になる。
しかし私には、途中で投げ出す姿ばかりが想像され目に浮かぶ。
お客様目線ではなく、同業者の目で見ると、こうなる。
お客様目線ではなく、同業者の目で見ると、こうなる。
だからまた、来たくなる。
※ 上の料理は「ハンダマのお浸し」
ボイルすると独特の粘りが出てツルリとした食感が心地よい。
葉の赤味が滲み琉球ガラスのお皿に美しい。
2018年4月1日で10周年だそうだ。