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宮城の一ノ蔵
長い間挑戦を続けている。
何しろ「無監査」という名前を採用したセンスには感動しました。
級別の監査があった時代からの、いわば由緒ある「無監査」の称号には、今でも誇りと自信を感じています。
級別の監査があった時代からの、いわば由緒ある「無監査」の称号には、今でも誇りと自信を感じています。
級別のあった時代の詳細は改めての話しとして、1級や特級で売れば売れたであろう自慢のお酒を、敢えて監査に出さず2級として世に出し、我々の前に届けてくれた心意気。
美味しいお酒を少しでも手軽な価格で提供しようという蔵元の信条。
同じ宮城の「浦霞」と共に、地酒の夜明けを創りだした蔵元です。
この一ノ蔵さんから発売された「すず音」という銘柄も既に長い歴史を持つようになりました。
これも日本酒に新しいジャンルを作ったお酒です。
これも日本酒に新しいジャンルを作ったお酒です。
◆アルコール分:5%◆日本酒度/-90~-70◆300ミリリットル:715円+税
以後、数々のメーカーさんからこの分野に投入されたお酒が、今もデパートの冷蔵棚で「すず音」と一緒に並んでいるのを見かけます。
低アルコール酸度高めの薄にごり発泡酒
たぶんこのジャンルに一定のマーケットはあるのでしょう。
数年前からは宝酒造さんも「澪(みお)」という名称でそのジャンルにに挑戦しています。
正直なところ私のようないわゆる日本酒好きは、この低「アルコール酸度高めの薄にごり発泡酒」を飲んでリピートすることは珍しいはずです。
当初は女性をターゲットにしていたことは間違いないと思うのですが、果たしてその目論見はどうだったのでしょう。
私が店で扱った経験から言うと、女性に受けたという印象はほとんどありません。「一度飲んでみたかった」というご意見はいただいた覚えがあります。
日本酒に慣れない人の導入としても、効果はないようです。
アルコールが苦手! という人にもあまりインパクトがない。
価格的に手を伸ばす人が少ないというのが本音でしょうか。
要はどこを売りにすれば良いのか決めにくい。
いっそのこと、もっと甘くした方が分りやすいのかも、とも思います。
いくらで売るか
この手のお酒では「すず音」が最も価格が高く、「澪」は比較的手にしやすい価格です。
詳しく原価までは考えないことにしますが、アルコール度数がビールと変わらないとすれば、売価をどの位置に設定するかが今後のテーマのように思います。単純に、「すず音」を居酒屋で置いた時、980円で売れるでしょうか。量はワイングラス2杯分です。もっとも仕入価格からすると、店はその値段では置きたくないでしょうけど。
新しい挑戦も大きな実を結んでいないのは残念です。
しかし飲む側ではなく、敢えて売る側としての目で見れば、「売価設定」こそがこのジャンルの商品の将来を決める気がします。まさしく価格設定こそが経営の基本とはこのことです。
ターゲットと売価設定は永遠のテーマかもしれませんね。