2016年日本酒フェア 池袋 その2

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 四国愛媛の梅錦つうの酒

愛媛県はカウンター式のブースではなく、手前に丸テーブル3脚を人が立って囲めるように置き、後ろの壁際に酒を展示するやり方でした。テーブルの上にはそれぞれ数本のお酒を置いています。このやり方は素敵でしたよ。酒のボトルにも、案内役の蔵元さんたちにも距離が近くなる。
以前にも私のブログ記事で少し触れた「梅錦つうの酒」も出品されていました。
1980年代からは、ボトルもラベルも、表示も味もかなり変わってきましたね。その頃は「吟醸酒」の表示はなかったはずです。進化したというか、成長したというか、これも時代とともに歩んで行くことだと思います。
リンク: ブログ記事 「梅錦つうの酒 これにみる酒屋さんの現状

この度の日本酒フェアでは、東北、甲信越には、あまり時間を裂けませんでした。というのも中四国、九州を中心に回ってしまいました。これまででは本当に限られた蔵元しか姿を見せないために、見たこともないような蔵元のお酒がそちらに多く出品されていて、正直こっちの方に目が行ってしまったのです。特に九州からの日本酒の出品はありがたい。最近「佐賀県」は人気ですけどね。

 小豆島で唯一の酒蔵

香川県小豆島で唯一の酒蔵「森國酒造」さん。
「びびび。」とか「ふあふわ。」「ふふふ。」「うとうと。」 とか、かなりユニークなネーミングで並んでいました。ボトルやラベルデザインもなんだかほんわかと来る感じで、若い方や、女性には受けるでしょう。名前に深い意味があるのか聞いてみたところ、「そのお酒のイメージからです。」というイマジネーションをくすぐる理由でした。
リンク: 森國酒造さん有名地酒の吟醸が中心の試飲会とは違い、地元で一番飲まれているようなお酒もアチコチで出品されていて、深く知るには絶好のフェアでした。
有名処にどうしても目が奪われるのは仕方ないにしても、吟醸や、大吟醸ばかりに興味を向けていてはお酒のお大きな輪郭を見ないまま、 誰かの思う壺にハメられているような気がします。
そういう意味でも、この日本酒フェアはたくさんの可能性を秘めています。

 本当は一番気になったブース

2016年の日本酒フェアは別の楽しみが満載。
各都道府県のブースだけではなく、企画ブースが充実していました。
中でも気になって仕方がなく吸い寄せられたのがここです。

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少し遠望なのでわかりにくいですが、この人集りは分かりますか?
県のブースを回っていいた最中に、脇見をしたその先で、視線の片隅から手招きをしていたのがここです。
人集りの詳細は私の惹かれた理由とは少し別のようにも思えます。
だけど、この状況には必ず意味があるはずです。

最近の試飲会などでも、熟成酒の注目度が高いのは事実です。しかし、コーナーを設けるほどに出品してくれていたのは私には今回が初めて。この魅力を具現化してくれた企画には感謝です!

他の人たちの会話を聞くでもなく聞いていると、全員が熟成酒が好きで集まっているというほどではなさそうです。やはり馴染みはないけど興味がある人が多い状況です。こうして特別ブースを儲けることは、新しい可能性を探り進めるのに役立ちますね。

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 長期熟成酒研究会

なんて魅力的な、なんて大胆な、なんて怖いもの知らずな、そして、なんて分りやすいブースがあることでしょう。
小躍りするのを隠したくなるほどでした。

熟成酒は実際には好みの分かれるジャンルです。
さらに、欲しいと思っても、手軽に求められる場所にはいてくれません。
限定であると同時に、その分個性の強さも群を抜いています。

「そんな酒、飲んだことないよ!」と言う方は、騙されたと思って、チャンスがあれば一度飲んでみてください。興味がなければ、 無視しておいて何の支障もありませんから、興味が生まれた時に試してみてください。

飲まず嫌いは残念だというのが私の考えで、飲んだ結果、無理をして個性的な味に慣れる必要もないと思います。
酒造組合としても「長期熟成酒」に可能性を見出しているからこそ、専門ブースを設けたのでしょう。私のように、好きな者にとってはこれからも楽しみが増えそうで嬉しいですね。

最後にひとつ。私がいくら長期熟成酒が好きだと言っても、毎日たくさん飲みたいと思うタイプのお酒ではありませんので、その点はご理解ください。

2016年日本酒フェアの紹介でした。
来年がまた、楽しみですね。