田酒 青森から全国区へ

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 田酒・特別純米酒

青森から全国区へ名を馳せたお酒に「田酒(でんしゅ)」があります。
私が初めて知った頃も、既に入手が困難な状態でした。
蔵元である「株式会社西田酒造」さんでは数多くの種類のお酒を造っていますが、中でも一番流通しているのはこの「田酒・特別純米酒」でしょう。
今でも本当に人気が高く、デパートでたまに見かけることはありますが、街の酒屋さんで目にする機会はほとんどありません。プレミア付きでネットには流れていたりします。

飲食店のメニューに恒常的に並んでる場合は、よほど安定した取引が出来ているということですね。ずい分前には私のいた店でも置いていたのですが、やはり取引していた酒屋さんでも途中からは苦しく難しくなったため、スポットに切り替えて対応せざるを得ない事になってしまいました。

人それぞれに好みは違います。でも、私には実に素敵な、また好きなお酒でした。
私の中では、まずバランスが最高のお酒でした。
甘いか辛いかではかるとこのお酒の良さを見逃してしまいそうで、温度帯の楽しみも含めて、どんな飲み方をしようが「旨い酒」でした。米のうまみたっぷり。詳しくは蔵元さんのホームページでご確認ください。
リンク: 株式会社西田酒造さんのホームページ

 喜久泉 本醸造

西田酒造さんでは、特別な「善知鳥(うとう)」を除き、純米は「田酒」、本醸造は「喜久泉(きくいずみ)」として販売しています。私がよく飲んでいた頃、「田酒・特別純米」 と「喜久泉・本醸造」とは、とてもよく似た味わいでした。
喜久泉の方が、いくぶん軽い感じで、それはアル添(アルコール添加・本醸造)故だったかも知れません。田酒よりも1.8Lで400円ほど安く手に入るし、この方がまだ手に入りやすかったことを思えば、いわゆるコスパは優れていました。

いつのことだったでしょう。
もう10年にはなると思います。
杜氏さんか、社長さんかが代替わりしたときいた後、全体の印象が変わりました。
ラベルデザインも大きく変わった「喜久泉・本醸造」を飲んでみた時に、「前の喜久泉とは違って、田酒とは似てないなあ、香りがずいぶん強い」と感じたことを今もよく覚えています。

むかしむかしは、青森といえば甘口酒が多いことで有名でした。それが今ではそんなこと誰も思わないはず。
時代とともに変わることは必要です。
しかも、似たようなものを2種造るよりは、別の個性にしたほうが賢明です。蔵元が若い世代になって、新しく挑戦してきたということですね。
手に入りにくいこともあって、近頃とんと「田酒・特別純米」を口にしていません。そろそろどこかで、じっくりと頂くとしますか。