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秋の吟醸酒を味わう会
春には新酒の吟醸酒を味わう会があるので、吟醸酒を味わう会は年に2回あります。
毎年恒例の秋の吟醸酒を味わう会が、10月27日(木)に飯田橋で開催されました。
会場はホテルですから、かなり立派で、主催は日本吟醸酒協会です。
最初に私が参加したのは10年以上前になると思います。しかしどうでしょう。参加蔵は減っているようですね。
夜の部は混み合うために午後の部に参加することも多かったのですが、今回は夜の部、受付は17:30、開始は18:00です。長い実績もあるために、人の集まりは大したものです。 開場前から入口に人が並び、廊下の端に別枠で設けられた「熊本・香露」の前には既に数十人はいます。
受付ではハッピや前掛けなどの蔵元グッズを2,000円で売っていて、売上は震災にあった熊本の蔵元へ寄付するそうです。
残念なのは、どこにもイベントの名を掲げた看板もなく、何のディスプレイも見当たりません。せめて分かりやすい写真でも撮って、と考えたのに肩透かしというところです。イベントとしての入口付近の雰囲気を写真では伝えられません。
燗酒コーナー
会場は受付を挟んで両側に大まかに東・西というように 2つに分かれています。
そして受付と並ぶように、「燗酒コーナー」を設けています。
出展の蔵元から任意で揃えた27種。
これを2人の担当者が注文に応じて、錫のチロリで即座に温めてくれるのです。
今回、このコーナーが一番のヒットだったと私は感じています。
今回、このコーナーが一番のヒットだったと私は感じています。
1980年頃から、「良い酒は冷やして飲まないともったいない」という、迷信まがいの話がまかり通っているために、燗酒はずっと隅に追いやられていました。
それがここ数年の間に見直されてきているのは実感しています。
酒を並べて燗比べができるのは滅多にないこと。これまで各ブースで自主的に実施してくれるケースは多かったのですが、一手にまとめてというのは、これまでに1度あったかなと記憶している程度です。
しかも、ここが「吟醸酒」の集まりだ、というところがポイントです。酒好きの中にも、未だに吟醸酒は冷やして飲むものと決め込んでいる人が多いと思います。しかし蔵元さんたちはすでに燗酒に目が向いています。「燗上がり」という、燗をすると柔らかくまろやかになって、旨味を引き出してくれるという造りを大切にしているのです。
入場前からの能書きで申し訳ありません。
さて、そろそろ東北から行ってみましょう。
まずは岩手から
北海道、青森からの出展はありませんでした。
今は北海道でも美味しいお米が作られるようになり、酒造りにも100%地元産の日本酒を出荷できるようになったと聞いたことがあります。
浜千鳥
浜千鳥さんは前の震災でかなりなダメージを受けたと記憶していますが、復活して丁寧な酒造りをしてくれています。
いつも言うことながら、私には高い酒は興味がありません。
日常で家庭に買い求めてもらえるお酒こそが、これからの日本酒の未来を拓くと確信しています。
浜千鳥純米吟醸吟ぎんが55
1,480円(税別)/720ml
「吟ぎんが」というお米を使って55%に精白。
穏やかなお酒で、蔵の実力を示してくれています。
日常酒にするには若干高めではありますが、素適なお酒です。
南部美人
しかし、「南部美人」と言えば、最も有名かも知れません。
元々すっきり系の酒は少なかったように思います。
今回出品されていたのは
ふくよかで魅力的ですが、
2,052円(税込)/720ml。
う~ん、購入にはちょっと厳しいかな…
次は秋田
秋田からは三蔵が出展されていました。
まんさくの花
安定して人気のあるブランドになりました。
いつも優しいお酒を造っている印象が強いです。
刈穂、出羽鶴
昨年あたりからか、夏限定で出荷される「サマーミスト」
こちらの人気があって、店でもお客様が楽しみにしていることを伝えました。
そして、やはり定番では「刈穂六舟」が求めやすいし、確立された地位があります。
刈穂と出羽鶴が二大ブランドの同じ蔵元だということを、意外に知らない人が多いのも事実です。
最近では「やまとしずく」も加えて三大ブランドと言うべきですね。
天壽
米から育てた純米酒ひやおろし
日本名門酒会のホームページより引用:
【造り】純米吟醸原酒・生詰【原料米】秋田県産《美山錦》【精米歩合】麹米60%・掛米60%【酵母】なでしこ酵母(ND-4)【アルコール度】15度【日本酒度】+2.7【酸度】1.3【アミノ酸度】0.91,450円/720ml
地元で契約栽培された美山錦だそうです。
しかも「なでしこ酵母」というところが特徴。
焼酎ではよく見かけますが、日本酒では珍しいと思います。
ラベルの真ん中に、さり気なく米の形。
良いですねえ。
次に行きましょう!