この記事の目次
今現在の2018年の夏ドラマ
最初に断っておくが、以下の感想は番組批判ではないし、クレームでもない。むしろ応援したいと思っている。
私が長く飲食店を経験し、それを営む企業にもいた身からすると、お金の流れや資金繰りでの話はともかく、現場である店の従業員や本社担当者の対応、店舗の営業力の描き方があまりに飲食店を知らない素人の発想過ぎて残念に思う。
もしも番組を観る人が飲食店とはこんな感じかなと思ってしまうのであれば、単純すぎるし素人感覚だし、リアリティがなさすぎて、むしろ悲しくさえある。訴えたい内容としては、「店の従業員はこんなに苦労と努力をしている」と描きたいのもわかるが、対策が甘すぎる。実際はその程度の苦労であるはずがない。
描かれている営業方針や販売促進はそれに伴う原価・人件費対策が取られているとは思えず、苦労というよりも勘違いに等しい。目先の効果は期待できても本質の改善にはなるまい。
この番組のテーマ「夢をもたせる」
一概に「夢」といっても人それぞれで、簡単に「この指とまれ」というわけにも行かない。どんな仕事でもモチベーションを持って仕事を続けることに誰もが頭を悩ませている。そしてそのモチベーションを作るものは何なのかが重要で、それを描けないことで企業は手詰まりになる。職場での目標の達成が個人の夢の実現に必ずしも繋がるわけではなく、人によっては、自分のやり方と違いすぎてジレンマにもなろうというもの。
実際のところ、どんな会社であっても自分の将来の夢を持って仕事をしている人が今の時代どれほどいるだろう。もしも「クビにならないこと」程度が夢だとすれば目も当てられない。
これから先、飲食店は現状を解消されないまま壊滅的な人手不足になる。そして今後の飲食店は人手不足で開店できず、回転もできず、営業もできず廃業もやむなしをいうところが増えるのも目に見えている。
個人の夢さえ持つ人がいないと言われるご時世で、どんな夢を持って仕事をできるのか。むしろ「夢は与えるものだ」という人もいる。夢の出ところや在り処など、作り出すことの手助けが必要な世の中だと信じた方が、これからの企業や部署の発展に大きく役立つことは間違っていないはずだ。
飲食店というのはかつては夢を持ちやすい仕事だった。いずれは「独立して自分の店を持つ」という夢は当たり前にあった。そんな中、「夢」と捉えるか「目標」と捉えるかで達成度に大きな違いがあったことも事実だが、夢さえ持てないとなれば何の意味もなくなってしまう。
多少現実と離れていようが、社員に夢をもたせることができるだろうか。