千葉県産酒フェア・松戸観光案内所 その4

この記事の目次

 東薫と岩の井

千葉県松戸市の観光案内所・千葉県産酒フェア

 東薫ふさこがね特別純米酒

東薫さんは以前に蔵元を訪ねた時にも紹介しました。
そして東薫といえば「東薫」「二人静」「卯兵衛」がよく目にする銘柄です。そして今回も純米吟醸卯兵衛がズラリと並んでいて、その姿は壮観でした。
千葉県香取市の佐原にある東薫酒造はあの観光地佐原の町並みの中に溶け込んで、その風格と風情が町を代表するように佇んでいます。
そしてこの日は「東薫・特別純米酒ふさこがね」に惚れ込んでしまいました。ラベルには佐原の運河の様子が静かに穏やかに描かれています。
東薫・特別純米酒ふさこがね ←リンク
蔵元のホームページより以下、引用します。
平成16年に新品種で登録された飯米のお米千葉県産「ふさこがね」(父は中部64号、母は「ふさおとめ」で粒が大きく味も良く丈は低めの稲)と千葉県産清酒酵母「手児奈の夢」(てこなのゆめ)で醸造された千産千消のお酒。
無濾過で香りは穏やか、含みかは華やかな香りで、後味スッキリとしたやや辛めのお酒です。
アルコール度 :15度以上16度未満
日本酒度   :+2
酸 度    :1.3
主な使用米  :千葉県産(ふさこがね100%)
精米歩合   :60%
少し引用が長いのですが、どういう思いで造られたかが理解できると思います。これは飲み飽きしない、自らの主張が過ぎることのないお米のお酒。料理の邪魔をせず、半歩ほど控え目にしかも常に寄り添ってくれるように感じました。
このお酒はまだほとんど見かけることがないでしょう。地味ですが、こういうお酒が受け入れられる未来を期待して、新潟の友人に送ると決めた一品です。

 岩の井ひやおろし純米吟醸

岩の井・岩瀬酒造株式会社さんは外房の御宿にあります。以前からずっと山廃造りには力を入れているようで、私にはそのイメージが強く残っています。

ここで出品されていたひやおろし純米吟醸も山廃仕込みです。冷蔵庫で静かに寝かせ続けるのと違って、蔵の片隅でじっと待たせておくには速醸モトよりも厚みを持った週質になる山廃モトの方が適しているのかも知れません。

もともと岩の井というお酒は香りの華やかに造ることはほとんどなく、味わい深く体に降りてくるようなお酒が多い。

在庫が終わり次第販売終了という「ひやおろし」だけに、楽しむには時間も残り少ないのが現実です。近所の酒屋さんなどで見かけた時は、ぜひ岩の井に限らず楽しんでいただきたい思いです。

純米岩の井山廃造り

岩の井と言えばコレ!というほどの定番酒。こういうお酒を持っているのは酒蔵の何よりの強みです。そういったお酒がいつの間にか蔵の隅に追いやられてしまっている酒蔵もあるでしょう。

この日も当然のようにこの定番酒は堂々とそして粛々と試飲販売会のオオトリに控えていました。出口に近いから勝手にそう思っただけで、実際は入り口に近いのですから、先鋒としての存在だったも言えます。
この他にも300ml瓶のシリーズで、木戸泉、腰古井という銘柄が別のコーナーに並んでいました。千葉の酒は想像以上にラインナップ豊富です。とことん勝負するには体が付いていきそうもありません。

 千葉のめぐ実 落花生焼酎「ぼっち」


千葉の名産というと「落花生」は外せません。ところが、これまで落花生焼酎というものを私は知りませんでした。勧められて鼻を近づけると微かに落花生の香りがし、少し口に含めばその香りが鼻に抜けながら独特の旨味とともに広がっていきます。
ぼっち?それは何だ?と思いながら検索してみると、ありました。
千葉県酒類販売株式会社さんのページで詳しくはご確認ください。
落花生の収穫後に畑で野積み乾燥させる時に積み上げたものを「ぼっち」と呼ぶそうですが、その上部の形が昔にかぶっていた「ぼっち笠」に似ていることから付けた名前だといいます。私はそれをぼっち笠と言うことさえ知りませんでしたが…
落花生焼酎 ぼっち
 分類:甲類乙類混和焼酎
 原材料:甲類焼酎・米・米麹・落花生
 アルコール度数:25度
 売価:1,028円(税込)/720ml
下総、上総、安房と千葉県は思いの外広い。そしてそのそれぞれに特徴があって、古くからの千葉県民に言わせると人間性までが違うと明言します。
松戸の町中にある松戸観光事務所での一日。小規模の企画だからこそ、各蔵の方たちとゆっくりと話ができ、質問にも丁寧に答えてくれます。私が東京の新宿の先から来たというと、少し驚きながら「よくぞここまで!」と感心しながら接してくれるのです。
東京近郊の日本酒イベント。遠いように思えても近い。海と山と田畑の幸に恵まれた千葉県は、これからまだまだ楽しみが増えそうです。