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三百年の掟やぶり
寿虎屋酒造株式会社
山形で300年の歴史を持つ酒蔵です。
そこでかなりのインパクトを与えてくれる名前を冠したお酒があります。
「三百年の掟やぶり」 本醸造、純米、純米吟醸
一体何なんだ?と思って、つい引き込まれる名前です。
話を伺ってみると
300年の間、守ってきた酒造りの家訓に、酒はきちんと濾過した後に火入して、酒質が安定し美味しく飲んでもらえる状態で出荷すること!と言うような決まり(掟)があったそうです。
冷蔵設備も無菌設備もなかった時代の酒造りは、良質の酒を造るには相当の技術と細やかな気配りが必要だったはずです。
技術や設備も発展し、取り巻く環境や流通の進化もあって、蔵でしか飲めなかったお酒が、現在では家庭にまで届くようになりました。
画像は酒蔵にお断りしてお借りしました。
蔵元ホームページから引用:
搾り出された酒に一切何も手を加えないそのままの酒。「無ろ過槽前原酒」
しかも生酒です。
味は見事なものでした。麹の香りが生き、生原酒の力強さと米の旨味も伝わってきます、まさに「槽前」という名に相応しい味わいです。
ホームページを見るとこんなこだわりが書いてありました。
吟醸酒および純米酒には、かけ米を一切使用せずすべて麹米を使用する、全麹使用速醸酒母を使用しております。
これはすごいことですね。
頭が下がります。
引き続き楽しませていただけるよう、応援したいと思います。
お福正宗
お福酒造株式会社
新潟の長岡市の酒蔵です。
名前から、お祝い事やお遣い物にはよく利用されるそうです。
こちらの本醸造は落ち着いた味わいで、普段飲みのお酒としても、有り難いお酒でした。
蔵人さんも、自分が普段飲んでいるのは普通酒ですよ。とおっしゃっていました。
大吟醸や純米大吟醸はご自分では買って飲むことは先ずないとのことです。それはそうですよね。720mlで3,000円ほどのお酒を自分のために買い求める人は、蔵人さんでさえほとんどいないということです。
飲食店や酒屋さん側も、できれば高い酒を売って、客単価を上げたいと思っていることでしょう。造り手側が単価の高い酒を売りたいというのも当然のことと思います。
きっと飲む側としても、飲める量は決まっているのですから、同じ飲むなら良い酒を飲みたいと思うのも、自然のことです。
結局のところ日本酒にとって、ビールや焼酎と全体のアルコール量を分け合うしかないのなら、少しでも高い酒を買ってもらえるように、売る側が求めるのは仕方のないことだとも理解できます。
しかし、飲みたい酒と売りたい酒がもし同じでも、買えない酒では…
日常酒の価値。本当にここに大きく目を向けないと、今後が思いやられることになりそうです。数々の試飲会に参加して、いつもその疑問にぶつかることになります。これをスッキリと解決する術を探さなければなりませんね。
この日本酒コーナー、本当にありがとうございます。