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魔のクリスマス
10月のハロウィンが終わると、アッチもコッチもで店舗の飾り付けはクリスマスバージョンに変わるようになりました。
古臭い私にはハロウィンで盛り上がることさえが理解の外にあるのですが、居酒屋がクリスマスの飾りに躍起になるのはいつの頃からかさえ忘れました。
ところが、私が知る限り、一般的な居酒屋はクリスマス(特にイブの24日)は忙しかった試しがありません。
まさに居酒屋には魔のクリスマスです。
たとえ金曜日と重なったとしても、いや金曜日と重なろうものなら、稼ぎ時の一日が平日以下に陥ってしまうのですから、商売上がったりです。
そんな中でも登場させれば、サンタクロースは常に別格な人気があります。
以前に私がいた店では店内も店外もクリスマスのデコレーションは何もしない代わりに、11月の終わりごろから店頭に特大のサンタのバルーンを置いていました。
ハリボテと言った方が分かりやすいかもしれません。
通りがかりの子供連れの方は、子供がサンタに抱きついて喜ぶことも常でした。
お客様には、待ち合わせや電話予約の時に「サンタのいる店だよね?」と言われることも多く、沢山の人の目に止まっていたのでしょう。
サンタとトナカイはアイドル
初めてサンタを店頭においた年に、私がたまたま女性スタッフに聞きました。
「サンタの衣装で仕事する?」
すると、私の予想に反して、彼女たちは喜んだのです。
そして12月の10日頃から、店には女性のサンタとトナカイが登場することになりました。
するとこれが大変です。
想像以上の人気者になってしまいました。やはりオジサンたちの目尻の下がり方が顕著でしたが、女性たちにもコレが面白いらしく、「私も着たい!」という声まで聞こえてきます。
私の固定観念で考えるだけではわからないものです。
押し付けでなく、彼女たちが楽しんでくれたことが一番でした。
仕事にスタッフが楽しみを見つけてもらうことは大切です。
スタッフの意見を積極的に聞くことから、それは生まれてくるのかもしれません。
彼女たちが頑張ってくれたことと、24日の売上は、残念ながら簡単には結びつきませんでした。