この記事の目次
第一景
天気に恵まれたある日、海を渡って木更津まで行く機会がありました。
途中の「海ほたる」からの眺めは、さすがに清々しく気分も晴れるというところ。
しかし、小さな作り物の孤島だと思うと、なんとなく地に足の付かない頼りない感じがしてきます。
気が早い私は、お土産に「千葉の地酒」はないかと「海ほたる」で探しました。
車で来る人しかいないせいか、アルコール類がそもそもありません。これや然りと納得するものの、若干の寂しさが拭えませんでした。
海産物の加工品は、千葉土産の主力です。干物から佃煮、海藻類、どれも美味そうです。私には縁遠いお菓子もたくさん並べられていることは、どこの土産物店と変わりません。
そんな中に「千葉の地野菜」が「海ほたる」の売店に並んでいることには驚きました。しかもなかなかに魅力的な値段です。これも車での来客がほとんどだからでしょうか?まさかの出会いです。
その後は、仕事の振りだけです。
本当は友人の仕事に便乗して、こちらは観光気分で呑気にしているだけですから、気楽です。木更津で10分ほど走ったところで仕事を手伝う振りだけして、春の日差しを浴びています。
本当は友人の仕事に便乗して、こちらは観光気分で呑気にしているだけですから、気楽です。木更津で10分ほど走ったところで仕事を手伝う振りだけして、春の日差しを浴びています。
第二景
本番はここからです。
その仕事先とは車で2分ほど。
その仕事先とは車で2分ほど。
竹岡式ラーメン「日可里(ひかり)」
独特のスープを考案?して人気のお店です。
詳しく味を評価することは控えます。
詳しく味を評価することは控えます。
しかしまあ、癖になること。木更津にそれを目的にして、わざわざ行く人がいるということにも頷けます。
先ず、歩いてくる人はいない立地でしょう。客席数は30席余りにも拘らず、駐車場に20台以上は楽に駐められそうです。
またここで驚くことは客層です。もちろん平日の昼間、仕事の途中だろうと思う職人さんたち二組は当たり前ですが、70代後半だろうと想像するご夫婦、親子三代のの5人連れ。一人だけのお客様もいます。
木更津のハズレの小さな街道沿い。
やはり東京の真ん中では目にできない多様性があります。
個人的には、感心しきりでラーメン代480円也を支払って店を出ました。
第三景
「日加里」から、車で2~3分。
この場に連れて来てくれた友人に、まさに感謝です。
千葉の地野菜直販所
駐車場脇には植木の苗と思しきものや花の鉢植えが並んでいます。
この方面には全く疎いために、その価値はわかりません。
歩を進めると、店の中は野菜の宝庫です。
60cmはある大根、直径は長さに比例しています。1本70円!
チヂミほうれん草、立派な株が2つ入って、150円!
長ネギ、少し細めが5本以上で、150円!
確かに、人件費、運搬費を細かく考えれば別物ですが、鮮度と量と価格をみれば、これこそ破格の品揃えです。東京の中心地でこんなことができようものなら、きっとあっと言う間の売り切れでしょう。
しかし、ここは木更津。
農家の人たちが自分で持ってきて、自分のコーナーに並べているのです。
出荷のための手間を省いています。
木更津にドーンと設置された「地野菜直販所」
こんな景色は見たくても見られません。
でも本来は、安さではなく、野菜の鮮度と味に目が向くようになれば、この企画は大成功かもしれません。
野菜の真の美味しさを感じ取る味覚を、私たちは別の地平に置き去りにしてきたままです。今こそ改めて真の味覚を身に着けたいと思いながら、陳列された野菜に視線を送り続けていました。
作ってくれる人が伝えたいと願う味を、私たちは本当にはわかってないのかなあ、と思う、第三景です。