葛飾柴又 帝釈天参道を観る

この記事の目次

葛飾柴又駅

帝釈天 (1)

10月の連休の一日、京成電鉄の柴又駅に降りる。
友人と急に思い立ってこの町を歩いてみることにした。時間は昼食時を少し過ぎた頃、幸い天気に恵まれたお陰でかなりの人出に驚いてしまう。駅前の広場は、何だか京成電鉄の歴史を残して見せてくれているようなレトロ感満載の雰囲気だ。この町は本来は帝釈天で有名なはずが、もしかすると「フーテンの寅さん」の町と理解している人が多いのかもしれない。

葛飾区は私の中で全く地縁がなく、大まかな地図が頭に入っている程度のため、この柴又帝釈天の近くに何があるのかさえ想像できないが、千葉との境、江戸川はすぐそこ。

まず駅舎の看板がいい。

私には残念ながら寅さんにほとんど傾倒がないので、寅さん像やさくら像には感心が向かないけれど、それぞれの前の人だかりにこそ感心する。

さあ、すぐそこが参道入口だ。

帝釈天 (2)
その参道の看板の手前に愉快な店があった。
柴又ハイカラ横丁
今では消えつつある駄菓子屋さん。

ところが私が少年の頃のそれとは規模が違う。商品の数もさることながらスマートボールや射的まで揃っていて、マルベル堂のブロマイドまで置いている。お客様はもちろん駄菓子に似合う世代ではなく、かつて似合った世代が殆ど。店内の写真を撮るのはいささか気が引けたので遠慮した。

帝釈天 (3)
2階は柴又おもちゃ博物館
ここには寄らなかったが、別の機会に来ればまた面白いものを見られそうだ。

参道の商店街に立ち入る前から楽しませてくれる。

帝釈天 参道の商店街

帝釈天 (4)

この商店街のどこかに寅さんゆかりの店があると聞いたことがあるが、店の名前も場所も知らない。ここの人通りもよそ見をし過ぎると人にぶつかってしまいそう。商店街と言っても日用品を扱う店は見当たらないのは当然だろうが、さすがに統一感があり街の一体感もあるやさしいそうな商店街だ。

団子屋、煎餅屋、漬物屋、佃煮屋。

蕎麦屋、ここは定食屋さんかな…
土産物屋に、もちろん仏具屋。

こういった店舗が順番にやって来るのだが、他は先ず見ない。お寺の参道故に当たり前といえる。どこも繁盛しているようだし、シャッターなど降りてない。

いい街だ。

自分たちに多少なりと縁がありそうなのは漬物屋、佃煮屋くらいなのも仕方ない。帝釈天の山門近くまで来ると川魚料理の店があった。生け簀には揺らいだ水に鯉の影が見える。ここは老舗なんだろう。

川千屋(かわちや)」

後で調べてみるとやはりそのようだ。250年ほどの歴史があるそうで、鰻、鯉、どじょうなどの看板料理を揃えている。

この日はまだ陽が高すぎる、控えよう。

しかも、やっと山門前。
商店街もいいが、御酒の前に帝釈天にも義理は立てねばならない。

店舗の軒下に祭りの提灯が下がっていることに気づいた。

各地の秋祭りももう終盤だな。
この辺から空の雲が途切れて眩しいほどの陽射しになった。