2018長野の酒メッセin東京品川 その2

 EH酒造株式会社・信濃の国酔園

松本の少し北、安曇野市の酒蔵。200年の歴史があるそうです。
EH酒造株式会社さんのホームページによると:
安曇野の地で長い歴史をはぐくんだ酒蔵「酔園」。

2002年11月1日、EH株式会社(エクセルヒューマン)は、江戸時代末期より続くこの酔園の伝統を引き継ぎ、「EH酒造」として新たな酒造の歴史を歩み始めました。

私の頭の中では「酔園」という名前には覚えがあるのですが、「EH…」とは昨年になって初めて知ったというか、気づいたというか、2002年から様変わりしていたのです。いやあ既に16年です。
20年ほど前から酒蔵が次々に倒産するか、あまりお酒と縁のなかった企業やグループに買収されて生き残るかという話を聞きます。こちらの酒蔵が新しいスタートを切ってから16年も経過した後にこうして出合ったことになります。
今でも主名柄は「酔園」です。しかし今回は別のお酒にかなり力を入れての出品だったようです。
大吟醸 鬼かん
・ アルコール度 17
・ 日本酒度   +4
・ 精米歩合   35
・ 使用原料米  山田錦
・ 価格     5,000円(税抜)/720ml

「鬼かん」の「かん」はどういう意味で付けた名前ですか?と私が尋ねると、

「鬼も感動する」という意味だと教えてくれました。

私はてっきり「燗をつけると最高にうまい」という意味かと、勝手に想像していただけに大きな勘違いでした。

試させてもらうと「鬼」というイメージからはほど遠く、本当に優しいお酒です。吟醸の香りも穏やかで、旨味と甘味が渾然となったようなタイプです。今回の酒蔵一押しのお酒だけのことはあります。ただ、気軽に買って飲める価格でないことは確かです。この折り合いをどうつけるかは私には難しいところ。

酔園辛口純米 2,300円(税抜)/1.8Lも一度試してみるべきでした。

 株式会社松葉屋本店・北信流

北信州の小布施駅から歩いても7~8分ほどにある酒蔵です。古くからの主名柄は「吉乃川」だったはずです。しかしいつの頃からか「北信流」のブランドを新たに立ち上げて、もう一つの柱にしていったようです。

北信流 旨辛口 佳撰8年貯蔵
・ アルコール度 15
・ 日本酒度   +9
・ 精米歩合   70
・ 使用原料米  一般米
・ 価格     1,650円(税抜)/1.8L

どう説明すれば良いのでしょう。これ、8年貯蔵酒です。蔵内でそのまま常温で保存しているということです。話をうかがううちに「こんなお酒になっちゃいました」という軽いノリで通常販売しているとしか思えないほどです。

同じ造りの貯蔵してないお酒も同じ価格で販売しているそうですから、私がそう思ってしまうのも無理からぬ事とお許しください。

なんと勿体無いというか有り難いというか、1,650円が3,000円でも通りそうな出来栄えになっています。日本酒度+9という数字は熟成貯蔵の間に随分とまろやかにこなれて来て、辛口とはっきり感じることはなく、旨味が全面に現れていて、「旨辛口」という表現はピッタリです。この日はこのお酒を飲みに来ただけでも満足。東京にはどこにも出荷していないそうですが、唯一、新橋の信州おさけ村では扱いがあるということです。

若い杜氏の杉原さんが丁寧に説明してくれ、楽しい時間をいただけたことに感謝します。

 株式会社今井酒造店・若緑

長野市の千曲川に近い所にある酒蔵です。元禄4年創業とあるので、西暦では1691年創業。300年以上の歴史がある蔵ということになります。

若緑本醸造
・ アルコール度 15
・ 日本酒度   +1
・ 精米歩合   65
・ 使用原料米  長野県産米
・ 価格     1,619円(税抜)/1.8L

本醸造でこの価格とは驚きです。仕込水は千曲川の伏流水で柔らかな味に仕上がっています。

「味本位の酒造り」ひと筋に、とホームページにあります。丹精込めた酒造りで、味本位で造る。本醸造・純米・吟醸の生産だけとあるので、普通酒は造ってなく、その中でこの本醸造をこの価格で出荷してくれているとは見事なものです。

長野県の人は幸せだなあと、つくづく思います。多くの蔵が1,700円前後で日常に楽しめるお酒を造ってくれているなんて。
長野の酒メッセ、まだまだ続きます。