ホッピーの正しい販売促進

 庶民の味方ホピー

私がいわゆる酒飲みと言われるようになるのは、かつて人気だったホッピーが影を潜める少し前の頃だった。
酎ハイ・サワーブームが押し寄せ、ホッピーは隅へ隅へと追いやられていて、居酒屋のメニューから消えていくのも仕方ないかと言う頃で、既に40年前の1980年になろうとする頃だ。
甲類焼酎を入れたジョッキにキンキンに冷えたホッピーをドボドボと泡立てて注ぐ時代は終わり、氷が必ず入り始めた頃のこと。
ホッピーはその頃から20年あまりを氷漬けにされたように低迷を続けた。

その間に製品そのものにも改良を加え、味も洗練されたものに生まれ変わるのではあるが、再び日の目を見たのは2005年頃だったと思う。
ホッピーの奇跡的復活にはこれほど不遇な20数年の長い歴史を経験し、じっと待たねばならなかった。
現在の50代以下の人たちはジョッキに焼酎を入れ、氷など入れず生ビールのようにホッピーを注いで飲むという原体験はないだろうと思う。
従ってその頃のホッピーは1杯飲むのに1本必要だった。

元々がノンアルコールビールとして製造されていたホッピーを焼酎の割物に使って飲むということも、最初からメーカーがお勧めしたわけではなく「安くあげよう」という酒呑みたちが発明した飲み方だという。
であれば氷の手を借りながら1本のホッピーで2~3杯飲むという飲み方に至るのも自然だったのだろう。
ところが今は安く済ませるためという人は少なく「プリン体ゼロ」とかの方が重要な理由かもしれない。
だからこそ、今使えるホッピーの販売促進がある。
それを紹介しよう。

 販売促進とスタッフのモチベーション

販売促進と言うと多くの人がお得なもの付きのキャンペーンやイベント、あるいは期間限定の安売りが中心だと考えるだろう。
正しく販売促進といえばその商品をより多く売ること(拡販)と考えれば良いだけで、特別なことをメーカーや酒屋さんを巻き込んで行う必要はない。その商品を普段よりも多く売れば店の売上が普段よりアップするのが目的のはずだ。
しかし、販促は店のスタッフのモチベーションと結びつけて考えたほうが遥かに成果も上がる。

居酒屋のお客様のストレスの一番は「注文しようと思った時に従業員を呼ばなくてはならない」ことだと知っているだろうか。
「すみませ~ん!」と大きな声で呼ばなければならない。
なんでお客の自分が謝らなければならないのかと思いながら大きな声を張り上げる人もいるに違いない。
そのためにコールボタンをテーブルに設置して店は片付けようとする。
ところがそれを当たり前の設備にしてしまった居酒屋では、本当に大切なことを思い出すことはないだろう。
その結果スタッフの横着を生むだけの話で、本来のサービス業と言った意味では果たしてお客様のストレスは解消されただろうか。

 ホッピーでの販売促進

さて、本題のホッピーの販売促進に戻そう。
これは勿体ぶったところで簡単で単純な話だ。
ホッピーをセットで注音したお客様の様子を見ていればいいというだけの話。
「中のおかわりを頂戴」と言わせなければ良い。
簡単な話、必ずお替りを注文する。
ジョッキが空きかけたタイミングを見計らってお替りの「中」を勝手に持って行って、「お待たせしました」と言えば良い。
1回目のお替りを断る人などまずいない。
「ありがとう、気が利くねえ」と言われるに違いない。
これは間違いなくスタッフのモチベーションに繋がる。

では2回めのお替り(計3杯目)はどうだろう。
ホッピーの瓶は黒っぽくて中がよく見えないのだから瓶を見ただけではわかりにくい。だがそこは簡単。
お客様が2回めを継ぎ足している様子を見ていれば残りの量が想像できる。
大抵は3杯目を残すように計算しながら2杯目を注いでいる人が多い。
中には4杯は行くぞ~という人もいるのだから、とにかくそっとさり気なく見ていればわかることがたくさんある。

 人が介在するサービス業とは

しかし残念なことに、こういったシーンにお目にかかることがどこの居酒屋に行っても皆無だ。私自身がホッピーを注文することはないが、飲み仲間には好きな人が何人も居る。
先程の程度のことさえ不思議なほどほとんどの店が行なっていない。
サービス業とは何なのか?
難しい理屈や教科書のセリフではなく、目の前の事を見ているだけでやるべきことは見えてくる。
飲食業がサービス業として生き残るためには、ハッピーアワーを設けることではなく、無料券を配ることでもなく、ちょっとした気の利かせ方を肴にお客様との会話を楽しむに限る。
サービス業とは、そこに必ず人が介在する業種だ。
人が介在する以上はお互いがお互いに求めるものをすり合わせることだ。そしてお客様と店(=従業員)がこれを少しでも多く共有できた店が成功するのだと、私は考えている。
ホッピー、たかがホッピー。
しかし、されどホッピー。
これほど利用しやすく分かりやすい販促商品はない。

今あなたが目を向けたテーブルの上に、次は何があるだろう。

※ ホッピーのメーカーは今も氷を入れない飲み方を勧めています。
※ ホッピーの短冊・POPは下記より利用させていただきました。
  ホッピービバレッジ株式会社:フリーダウンロードページ
  https://www.hoppy-happy.com/supporters/pop/

コメント

  1. オブナイ より:

    ホッピーは今でも、数あるノンアルコールビールの中で、最も旨いと思っています。特に夏場は妙に吞みたくなります。その時は、可能なら「氷なしで」と頼み、それが諸事情でダメなようなら(ホッピーまたは焼酎が冷えていないなど)、「氷少なめで」と頼みます。