居酒屋が予約をもらう

忘年会予約のことで頭を悩ます店長のことを前回は記事にしましたが、ここではその解決方法のヒントをご紹介しましょう。

この記事の目次

居酒屋が予約をもらうことの本質

予約… この魔法の言葉
世の中には予約を受けたくないお店も多々あります。
人気店で、一人でも多くの方に利用して欲しくて、早い者勝ちのように開店から並ばせることを已む無しと考えているお店も、ラーメン屋さんなどを例にして沢山あります。

私のような我儘な者にとっては、並ぶこと自体が我慢ならないのですが、世間ではそれこそがステイタスのように扱われています。
私には、お客様に対して「待たせる」ということは、かなりリスクの高いことです。
すべての席が予約で埋まっています、というのも私には納得いかないのです。
かなり自分勝手な希望ですね。

以前から、「貸し切り」という営業は、私はほとんど行ってきませんでした。
予約をもらうという掛け替えのない大切さと、フリーで来てくれるという出会いの大切さは、お互いに矛盾することながら、これを並立させることはひとつのテーマです。

そんな中でも、「予約」をもらうという価値は揺るぎないものです。
私は昔から、コース料理の宴会予約よりも、席予約を大切にしろと、言い続けてきたのですが、この席予約をもらうという価値を、実際に店の人たちはどれほどわかっているでしょうか?

次は、そこを具体的にしていきましょう。

お客様を選ぶ

罰当たりかも知れません。
お客様を選ぶ、ということがあっても良いのでしょうか?
これに対しての私の答えは「当然あり」です。

お客様が店を選ぶように、店もお客様を選ぶのです。
これこそが、店造りなのです。
店はお客様の言いなりではいけません。
あるべき店の形と、それに見合うべく来てもらいたいお客様。
これは当然のことです。

たかだか居酒屋で、と言うかもしれませんね。

私の中で、お客様は決して神様ではありません。
理想的なお客様は「同士」です。
ところが、同士と呼べるお客様が常連さんになってくれるには、相当の努力が必要です。店は、もちろん従業員のためのものではなく、お客様のものです。
しかし、その店の存在を確かなものにするには、従業員とお客様の関係なくしては作れないものなのです。

選んで来店してくれたお客様の期待に応えるためにも、選ばれた誇りを持つことが大切です。そして、選んでくれたお客様と一緒に店造りをすることが重要です。

何かの偶々の宴会予約と、今夜はお前のところで飲みたい、という席予約と、比較することは難しですが、席予約を疎かにできないことだけは確かです。

お客様であれ、店側であれ、同士として貴重な時間を楽しみ楽しませるには、お互いが努力しなければ無理な話です。お客様が支払ってくれる対価として、店がそれに見合うだけの、そして少し得したくらいの時間提供できるであれば、「安い」と感じてくれる。

それこそが予約をもらえる店に繋がります。

しかし、答えは用意されているわけではありません。
答えはきっと、風の中で吹かれるように、右へ行ったり左へ行ったり、やってみて初めて分かることばかりでしょう。