柏の葉キャンパスの酒まつり

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 柏の葉キャンパス駅

つくばエクスプレスに乗って向かった先は千葉県の柏の葉キャンパス駅。
2月に開催される予定だった酒まつりが悪天候で中止延期になり、5月に仕切り直しで行われると聞きつけて当然のように参加した。

この日は打って変わって快晴となり、むしろ暑いくらいの陽気で、私が着いた昼過ぎは家族連れや若い人たちの姿が多く、特に子どもたちの多さが目立った。
柏の葉キャンパス駅を囲む町の若さと活気の証なのかと感心していた。
駅の創業は2005年8月だというから町自体も新しく創り上げた町で、元々がこの辺りで生まれ育った人は少ないはずだ。

昨年も同じ2月にTSUTAYAさんの駐車場で開催された。
会場にこたつをいくつも用意して、寒さの中での粋な企画で面白かったのだ。
ところが、昨年は何しろ雪が降った翌日で、日陰には積もった雪がまだ残り、底冷えのする天候だったため、こたつがこそご馳走感を出していて、ストーブの周りが憩いの場のようだった。
熱燗でもらった酒がまたたく間に冷やに戻ってしまうようだったのを忘れられない。
そして今年も2月は悪天候で延期。
この企画、2月に拘ったものの、案外2月とは縁遠いのかも知れない。

 私が造ったんです

今年はまず5月ということもあり会場に向かう途中からビールが恋しくなるくらいだったため、日本酒を目立たせるにはいくらか苦労があっただろう。
そんな中で良い日本酒を見つけた。
テントの下のブースで素敵な女性が「私が造ったんです」と言いながら勧めて紹介してくれている。

北光(ほっこう)正宗 金紋錦特別純米酒
これまで私も知らなかった銘柄だったのは申し訳ない。ラベルからも品格やその向こうにある味の趣を見せてくれているようだった。

ラベルの上部に描かれた北斗七星の絵柄が、控えめにブランド名とリンクしているのが伝わってくる。
日本酒の魅力は間違いなくラベルにもある。
だからこそどの酒蔵もこだわる。

ブランド名、ロゴデザイン、絵柄色柄、オリジナルのマークや銘柄のサブタイトル、紙質や首掛けPOPなど。そして私たち消費者はその出で立ちを見て、想像し期待して選択する。
もちろん味との一体感や違和感もそこには現れる。
「奥信濃」とあるが、それが地理的にどこになるのかが私にはわからない。
後から見れば長野県の新潟と隣接する辺りのようだ。

「私が造ったんです」の言葉の先にあることを深く聞かなかったことを後悔している私ではある。杜氏さんなのかお手伝いなのか、あるいは企画担当なのかは聞かずじまい。しかし、「私が造ったんです」とのフレーズは嬉しかった。
これほどに自分のこととしてアピールして売り込めることが羨ましい。

 北光(ほっこう)正宗 金紋錦特別純米酒

香りは穏やかで酸も程よく、特別な個性を私には感じられなかったが、その分当たり前に滲みてくる旨さが心地よく包んでくれる。
ホームページからのデータは下記:
北光正宗 金紋錦特別純米酒

 日本酒度         +5(標準)
 アルコール分    15度
 原材料名         米、米こうじ
 原料米          長野県木島平村産金紋錦 100%使用
 精米歩合         59%

北光正宗・株式会社角口酒造店  http://www.kadoguchi.jp/

「金紋錦」とは最近注目を集める幻の酒米で長野県での引き合いが伸びているようだ。確かに数量にも限りがある中で、今後の金紋錦を使用した酒造りにも大きな期待がかかる。

今回、柏の葉キャンパスで目にした面白い酒を他に紹介したい。
・紀伊国屋文左衛門 KARAKUCHI
・富士白レモンチューハイ
両方共に和歌山のメーカーが手がけている。

特にこの「富士白レモンチューハイ」は和歌山の国産レモンを焼酎とブレンドしたアルコール25度のリキュール。
ソーダで割るだけでレモン酎ハイを楽しむことができる。その味は機会を見つけてぜひ一度試してもらいたい。

このメーカーは「KOZURU」という銘柄で昨年の国産ジンのイベントに出品していた。
これを私は覚えていて、ジンの奥深さを教えてもらったイベントだけに「KOZURU」の名前も忘れないでいた。

世には不思議な縁がある。
思わぬことが見えないところで繋がっている。
だからこそ、生きていて面白いのだろうとこの日は思い知らされた。
歳がいくつになろうと、発見はどこにでもある。
幸せな時間はこうして過ぎていき、最高の午後となった。

北光正宗・株式会社角口酒造店
http://www.kadoguchi.jp/