南房総 山の中の孤島から九十九里ビール

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 山の中の孤島

粟又の滝から山道を辿って進むと麻綿原高原というところがあります。山全体が紫陽花で埋まり、季節には訪れる人も多いということですが、野生の猿には会ったものの、車も人も見かけぬままに細く曲がりくねった道を登りきると、麻綿原天拝園に着きました。

ここからは自らの足で歩きます。
参道にあたる短い坂の上に廟堂があります。
ここまで来るだけで、やっとの思いでした。
しかし、眺めはまるで千葉の頂上から見ているような景色です。周りはみんな山。南の山の向こうに見える海は天津小湊の沖合かな?
抜けていく風は秋。
空気の匂いも、陽の当たり方も違う気がします。
昨日は海岸線を走り、今日は朝から山また山。

険しい山ではないように見えて、意外に深い。

下りは元に戻らず、来た道の先へ進んで降りることにしました。
道は、対向車などあったらどうにもならない道。
3kmほど進んだ時、いきなり紙テープで道が遮られていて、その先の道は崩落していて通行止めです。
奇跡的に車を返すだけのスペースが有り、3kmをバックで戻らずにすみましたが、随分な冒険をした気分でした。
まさに山の中の孤島でした。
もっともあの道を3kmもバックで戻るのは不可能ですね。
なんとか人里に降りてくると、小湊から大多喜を通過して、そろそろ帰路にかかります。

 道の駅 あずの里いちはら

九十九里オーシャンビール (1)南房総の中央とも言えそうなところにダム湖があります。
「高滝湖」
珍しく平地にあるとしか思えないようなダム湖。
これがかなり広い。
車を降りて眺めることはしませんでしたが、ダム湖周りをゆっくりと巡ってみるのも良い時間を持てそうですね。
やがて市原の市街地に近いところで休憩。
「あずの里いちはら」
九十九里オーシャンビール (2)ここで見つけたのが「九十九里オーシャンビール」です。
ペールエール、バイツェン、ピルスナー、スタウト
4種類が揃っています。
造っているのは「合資会社寒菊銘醸」。中心は日本酒です。
そこからペールエールとピルスナーが私のお土産になりました。
千葉の南房総は大きな国。
海の後ろに山を抱えた国。
千葉というと「海」のイメージが先走ります。
ところが山を越えるには難所がアチコチにあります。

千葉は広い。
大都市の過剰と、地方の過疎…
改めて千葉南房総の深さに抱かれたような旅でした。